2026.07.06 シャープ・河村社長CEO「新規事業、8割はAIサーバー」 鴻海連携で事業拡大へ

今後の成長戦略について語る河村社長CEO(大阪市中央区の本社で)

 シャープは、AI(人工知能)を取り込みながら、ハードウエアの進化やソリューションビジネスを加速させ、新たな価値を創出して事業の成長を目指す。

 中でも、新規事業を成長エンジンと位置づけ、AIサーバーや衛星通信事業の拡大を図り、売上高を伸ばすとともに、収益力の改善を図る方針だ。

 河村哲治社長執行役員CEO(最高経営責任者)は3日、本社(大阪市中央区)で今後の成長戦略について報道陣からの質問に答え、新規事業について「2030年度に2000億~3000億円の売り上げを目指す。このうち約8割をAIサーバーが占める」と語った。

 AIサーバーは、世界シェアの約4割を握る鴻海精密工業(ホンハイ)の調達、製造力を活用し、26年度中に販売を開始する。

 国内の生成AI市場では「分散型の推論の需要が立ち上がっている。国内のシステムインタグレーターからはすでに引き合いもあり、4~5%のマーケットシェアを狙っていきたい」(河村社長CEO)と話す。 また、衛星通信事業ではルクセンブルクの衛星通信大手SESと提携し、27年に日本で衛星通信サービスの提供を開始すると発表。35年度売上高1000億円を目指す。

 新規事業に加え、既存事業のスマートライフ・スマートワークプレイスの領域でも新規事業、高付加価値事業の展開に力を入れる。

 スマートライフではAIoT家電の普及で、スマートワークプレイスではスマートビジネスの拡大で高収益、高成長の事業構造に転換していく。

 新規事業の拡大に向けては鴻海との連携が重要となる。6月24日の株主総会では、鴻海と新規事業に関する戦略的協業に関する覚書(MOU)を結んだ。

 「当社と鴻海との関係は着実に進んでいる。5月に鴻海を2度訪問し、フェイス・トゥ・フェイスで課題を話し合った。主に新規事業をどうするか話し合い、お互いのリソースをどう活用するかにも話しが及んだ」(河村社長CEO)とする。

 さらに河村社長CEOは「特に鴻海は、短期間でAIサーバーの世界シェア4割を占めるほどの供給元になっている。いかに短期間で新規事業を立ち上げるについて学んだ」と強調。「当社が重点を置く4分野と鴻海が推進しているEV(電気自動車)、デジタルヘルス、ロボティクスの三つの事業分野にAI、半導体、次世代通信など三つの主要技術などを組み合わせた戦略”3+3+3”が、当社と同じ方向を目指していることを確認できたことは大きい」とし、「鴻海との関係はウィン・ウィンであるべきということも理解し合えた」と話した。

 同社は、鴻海との連携を強化しつつ「創業当初からの経営信条・理念といったDNAは消えておらず、これからもまねをされる面白い商品づくりに取り組み、シャープらしさを全面に出していきたい」(河村社長CEO)考えだ。