2021.05.26 【次世代自動車用部品特集】JFEケミカル車載用機能性材料ビジネス拡大
JFEケミカルは、車載用機能性材料ビジネスの拡大に向けて①電池材料と②フェライト分野を強化している。JFEグループの製鉄工程で得られる副生品の安定調達を強みに原料からの一貫生産を行い、高特性で高品質の製品を低コストで安定供給する。
電池材料は、民生向けを中心に負極材の開発・販売を長く手掛けてきたが、今後は次の三つの負極材を基軸に車載向けビジネスを大きく拡大させる方針。
ハードカーボン負極材は独自の技術によって優れた出力・耐久性を備え、国内車載LIBに採用されて生産・販売を拡大。また、次世代LIBとして注目されるAPBの全樹脂電池には同社のハードカーボンが不可欠なことから、独占的に供給していく予定だ。
ニードルコークス系負極材は、中国宝武炭材との合弁事業に40%出資。宝武炭材から原料ニードルコークスを安定調達し、現地の安価な電力代などでコスト競争力を有しており、中国EV向けを中心に拡販する。天然黒鉛系負極材も車載電池用に販売拡大を図る。
フェライトは、JFEスチールの製鉄所で副生される酸化鉄を活用し、原料からの一貫生産体制を整備している。高純度酸化鉄の安定調達により高品質のフェライトコアを安定供給する。マンガン系フェライトは日系外販メーカーでトップシェアを確保。今後は電動車に搭載されるDC-DCコンバーターやインバーターなど、より高い特性が求められる車載市場への展開を強化する。