2021.06.18 【テレビ特集】国内出荷が買い替え、巣ごもり需要で好調

パナソニックの4K有機ELビエラJZ2000シリーズ(65V型)

夏商戦に向けテレビの買い替えを促していく夏商戦に向けテレビの買い替えを促していく

 国内のテレビ市場が好調に推移している。新型コロナウイルス感染拡大による〝巣ごもり〟需要も追い風で、大画面高精細4Kテレビを中心に販売が伸びているほか、寝室や子ども部屋などに設置する2台目、3台目となる中小型テレビも伸びている。東京オリンピック・パラリンピックを目前に控えた本格夏商戦を前に、主要テレビ各社は最新モデルを用意し販促に力を入れていく。

 テレビの国内出荷は昨年から好調に推移している。電子情報技術産業協会(JEITA)の出荷統計では、薄型テレビ全体の出荷は2020年4月以降13カ月連続で前年同期比増となり、4K液晶、4K有機ELともに高い成長が続いている。直近の4月の実績でもテレビ全体で前年同期比22.5%増となり、4Kテレビは同42.6%増、有機ELは同2.7倍と大きく伸ばした。薄型テレビ全体に占める4Kテレビの割合は55.3%。4Kテレビの出荷金額は336億円となり、82.4%を占めた。

 テレビの買い替えサイクルが10年程度(内閣府調査)になっていることから、11年のアナログ放送停波、エコポイント終了に伴い購入した液晶テレビ、プラズマテレビの買い替えがこの1~2年で本格的に始まっていることも追い風だ。

夏商戦へ最新モデル

 夏商戦を前に主要テレビメーカー各社もテレビの21年モデルを発表。最新モデルは、高画質化と高音質化、スマート化がより一層進んでいる。今年は画像処理エンジンをさらに強化したモデルを各社が発売。高画質化に向けて人工知能(AI)を活用して処理するようになっており、各社は独自のチューニングで、実際に目で見た風景と同じような映像表現を目指している。

 高音質化に向けても各社が技術力を競う。スピーカーの配置とデジタル処理技術を駆使し、デザイン性と薄さを損なわずに迫力のある音を出せる。最新モデルの上位機種には、ドルビーアトモスなど立体音響に対応したモデルも増えており、映画なども迫力ある映像と音で楽しめる。

 巣ごもり需要でさまざまな映像コンテンツに触れる機会が増えていることから、最新モデルは地上波だけでなく、インターネット動画など、あらゆるコンテンツを簡単に高画質で楽しめるような工夫をしている。

 9都道府県で緊急事態宣言が解除される見通しになったが、依然として新型コロナの感染拡大は予断を許さない。家で過ごす時間を有意義にしていく提案は今後もさらに必要で、テレビなどの家庭内で楽しめるエンターテインメント機器の買い替えや、買い増しの提案をさらに強化していくことが求められている。

パナソニックの主力製品「4Kビエラ」

 パナソニックは、家庭で上質なエンターテインメントを楽しみたいユーザーが増えていることに応え、高画質・高音質の「4Kビエラ」(有機EL/液晶テレビ)を積極的に訴求する。

 4Kビエラ21年モデルの旗艦モデルが、大画面ハイエンドモデル「4K液晶ビエラ」JX950シリーズ(75V型/65V型/55V型、75V型は6月25日発売)、「4K有機ELビエラ」JZ2000シリーズ(65V型/55V型)となる。

AIで最適画質/音質に自動調整
家庭で上質なエンタメ楽しむ

 共に映像処理回路を一新、人工知能(AI)技術により自動で最適な画質/音質に調整する新技術を搭載する。

 放送や映画など100万を超える映像のシーンから構成される学習用データベースを、ディープラーニング活用のAIが学習し、シーン認識アルゴリズムを生成。シーンに応じて画質・音質を自動で最適化する「オートAI画質」「オートAI音質」を搭載し、自動で最適な画質/音質で楽しむことができる。

 4K液晶ビエラJX950シリーズには、輝度とデザイン性を高めた独自設計のプレミアム液晶ディスプレーを採用。バックライトを強化するとともに、ディスプレー内部の部材構成を最適化して、自社工場で高精度に組み上げ搭載し、液晶ビエラ史上最高クラスの高輝度、高コントラストな映像と、薄型・フラット構造によるスタイリッシュなデザインを実現した。

 音質面ではテレビ背面上部に上向きに配置した「イネーブルドスピーカー」を搭載、立体音響が楽しめる。

 4K有機ELビエラ・JZ2000シリーズは、明部から暗部まで高コントラストを実現する同社独自設計・組み立ての有機ELディスプレー「Dynamicハイコントラスト有機ELディスプレイ」を搭載。「Dot Contrast パネルコントローラーPro」によりパネルの性能を最大限引き出す。

 音質面では上からも横からも映像を超えて音が迫るイネーブルド&ワイドスピーカー(音声実用最大出力125W)を搭載する。

 液晶/有機ELハイエンドモデルは共に転倒防止スタンド、スイーベル(首ふり)機能を採用。また、最新ゲーム機にも採用されるHDMI2.1規格の4K120p入力に加えて、映像の入力から表示までの遅延を抑える「ゲームモード エクストリーム」も新たに搭載する。

 さまざまなネット動画配信サービスを視聴するユーザーも増えており、メニュー画面やリモコンのキーレイアウトを刷新。ホームボタンを押すだけで登録されたネット動画のアイコンからアプリを起動できる簡単操作を実現している。