2021.08.18 【コネクター総合特集】小峰無線電機マルチGNSS対応アンテナ「QZシリーズ」高精度タイプ拡充

 小峰無線電機は、高周波同軸コネクターを主力とするコネクターメーカー。最近は5G通信関連や半導体製造装置分野などでも実績を拡大している。

 同社は、複数の衛星測位システムの受信が可能なマルチGNSS対応アンテナ「QZシリーズ」の高精度タイプの製品ラインアップ拡充に努めている。同シリーズの新製品として、センチメートル級の測位を可能にするCLAS(センチメーター・レベル・オーギュメンテーション・サービス)に対応した高精度4周波マルチGNSSアンテナ「QZG1256fQ」を2020年夏に販売開始した。

 CLASはQZSS(準天頂衛星みちびき)からのL6信号を利用して、センチメートル級の位置精度を得るための測位補強情報を送信するサービス。同補強により、誤差数センチメートルで測位を行うことが可能になる。

 QZG1256fQは、L1、L2、L5に加え、センチメートル級測位も可能となるL6も含んだ4周波対応のフラッグシップモデルとして、高精度測位が要求されるさまざまな用途に提案していく。

 同社ではさらにQZシリーズの次の高性能品開発も進めている。

 QZシリーズは昨年12月の全日本スーパーフォーミュラ選手権でNTTドコモが実施した「docomo IoT 高精度GNSS位置情報サービス実証実験」に採用され、最高時速290キロメートルで走行中のフォーミュラカーでの誤差約10センチメートルの測位に成功した。

 同社は5月1日付で「東京事業所」(東京都品川区)を新設した。同事業所は営業部と技術部が在籍し、両部門の連携強化により開発スピードの向上を目指す。本社(川崎市高津区)では空いたスペースを有効活用し、生産能力増強と生産品質のさらなる向上を追求する。