2022.01.31 FUKUSHO DIGITAL EXPO 2022 社会全体でDX対応 福岡商工会議所中小企業向け講演会・展示会
展示会では個別相談も行われた
【福岡】中小企業のデジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル変革)化を促すイベント「FUKUSHO DIGITAL EXPO 2022」(主催=福岡商工会議所、協力=NTTドコモ九州支社、NTTドコモCS九州)が20、21日に福岡市中央区の西鉄薬院駅ビル(NTTドコモ九州支社)で開催、講演会や展示会が行われた。
20日に行われたパネルディスカッションには、QTnet社長で同会議所デジタル化推進委員会委員長の岩﨑和人氏と、中村学園副理事長で同委員会副委員長の中村紘右氏が登壇。「福岡から発信!アフターコロナを見据えた中小企業のDX推進」と題し、DXの取り組みや動向などを紹介した。
「企業の推進に貢献したい」
岩﨑氏は、コロナ禍以前にテレワークを導入したり社用スマートフォンを支給したりした自社の事例を取り上げ、コロナ禍でのリモートワークへの移行がスムーズだったと説明。「福岡の中小企業のDX化推進に貢献していきたい」と話した。
「人材育成や確保のために」
中村氏は、学校運営の観点からDX化の必要性を説明。「今の学生にとってオンラインでの就職活動は当たり前。東京などの企業への就職もしやすくなっているが、(DX化をしていない)県内企業にとっては人材の流出にもつながるのでは」と述べ、「人材の育成や確保のためにも社会全体でDXに対応する必要がある」と強調した。
DXの今を紹介
展示会には、中小企業のコンサルティングやDX化のソリューションを提供する企業21社が出展した。
嘉穂無線ホールディングスのカホエンタープライズ(福岡市博多区)は、データ分析クラウドサービス「KOX」を紹介。同ホールディングスが運営するホームセンター「GooDay」で実践したDXの取り組みをパッケージ化したもので、小売業を中心にさまざまな業界での応用も可能という。
クラウドマーケティングツールなどの制作、販売などを手掛けるロジック・ブレイン(同)は、人事やマーケティングに役立つ人工知能(AI)を駆使した個性診断アプリケーションを提案した。
そのほか、NTTドコモや福岡県情報サービス産業協会(FISA)、QTnet、中小企業のコンサルティングを行うシステムフォレスト(熊本県人吉市)、CX Value Lab(福岡県糸島市)などが出展。来場者は各ブースで、DXの動向について熱心に耳を傾けていた。
同会議所は、昨年12月にNTTドコモ九州支社と「中小企業デジタル化・DX推進」の連携と協働に関する覚書を締結。第1弾のイベントとなった今回について「人手不足や消費の停滞など、中小企業を取り巻く環境は大きく変化している。生産性向上や新たなサービスの創出にもつながる、DXの必要性に気付いてもらえる機会になったのでは」とした。