2022.02.25 昭和基地で南極域初のローカル5G実験極地研とNECネッツエスアイ

昭和基地の屋外でスマートフォンを操作しローカル5Gを利用する観測隊員(提供=国立極地研究所)

昭和基地の基本観測棟(提供=国立極地研究所)昭和基地の基本観測棟(提供=国立極地研究所)

 情報・システム研究機構国立極地研究所(極地研、東京都立川市)とNECネッツエスアイは、南極観測隊の活動拠点「昭和基地」に第5世代移動通信規格5Gをエリア限定で利用できる「ローカル5G」の無線通信システムを構築し、実証実験を始めた。南極域でシステムを試験的に運用するのは世界で初めて。

 ローカル5Gの設備を基地にある基本観測棟の屋上に設置する作業を昨年12月に始め、運用を始めた。大容量で低遅延のデータ通信を実現するローカル5Gの特長を生かし、観測活動の効率化や過酷な環境下で働く観測隊員の安全性向上につながる実験を進める。期間は2023年1月まで。

 例えば、現地の隊員が屋外でスマートフォンを操作し、ローカル5Gのネットワークを通じて観測機器の状態などを伝えるデータを伝送。こうした仕組みで、隊員間で情報を共有して業務上のコミュニケーションを円滑化したり、安否を確認したりできるようになる。

 また、現地に生息する生き物の様子を収めた映像を日本国内に配信して生態の研究に生かすなど、多彩なサービスの展開も期待されるという。

(3月1日付電波新聞・電波新聞デジタルに詳報します)