2022.05.10 東南アジア最大規模の浮体式発電所マレーシアで自然電力、ダム水面に太陽光パネル

現地の企業連合と浮体式太陽光発電所建設に向けて覚書が交わされた

 再生可能エネルギー系新電力の自然電力(福岡市中央区)は、マレーシアに東南アジア最大級の浮体式太陽光発電所を建設する検討を始めた。ダムの水面の広範囲にパネルを並べ、出力130MWに達する見込みだ。地元の企業連合と共同でプロジェクトを進める。

 浮体式太陽光発電は、パネルの設置場所として用水池などを活用するもので、土地のコストなどがかからないというメリットがある一方、技術的な難易度は高まる。

 同社が検討を進めるのはマレー半島南部のマラッカにある「ドリアントゥンガルダム」。ダムは「海のような波が少なく、水面としては安定している」(自然電力)という。

 3月から最大1年間にわたり実証的な検討を行う。難易度などを検討して建設可能と判断すれば、まず100MWを建設(フェーズ1)し、さらに50MWを拡大(フェーズ2)していく2段階で推進。順調に進めば、2024年1~3月ごろまでにフェーズ1を完了させる計画だ。

 同社は4月25日、現地の企業連合と覚書を結んだ。プロジェクトは、日本政府が取り組む、ASEAN諸国の持続的な経済成長やカーボンニュートラルを共に達成していく支援策とも連携している。

 自然電力は、グループの海外事業を統括する自然・インターナショナルと、地元に合弁会社「自然・マレーシア」を19年8月に設立。マレーシアやタイでの産業用太陽光発電所の開発を手掛け、これまでに関わった太陽光発電は200MWを超えるという。