2022.07.01 【家電総合特集】冷蔵庫在宅増で大容量化加速、まとめ買いニーズに応える

内食傾向が続き、まとめ買い需要も多いことから、大容量化が進む冷蔵庫

 冷蔵庫は、共働き世帯が増加していたことに加え、コロナ禍で在宅時間が浸透したことで、冷凍食品や食料品のまとめ買いが増えたことを背景に、大容量化が加速している。

 内食化が進み、食材の新鮮保存へのニーズも強まっており、鮮度保持性能や冷凍技術も進化しており、IoT機能搭載などで、より使い勝手を高めた製品開発が活発だ。

 冷蔵庫は、買い替え需要に支えられ、毎年ほぼ安定した需要が見込める。2020年度については、巣ごもり需要によって、まとめ買いが加速し、特別定額給付金の効果もあって大型冷蔵庫が好調に推移し前年を上回る出荷台数となった。

 日本電機工業会(JEMA)のまとめによると、20年度の需要は前年比1.3%増の392万台となり、このうち401リットル以上の大型冷蔵庫は同4・4%増の180万台と好調だった。

 21年度に入ってからは、上期前半戦で大型モデル中心に伸長したものの、夏場の天候不順(長雨・冷夏)が影響したほか、21年度下期が好調だった前年同期の反動減もあり、通期で前年比95%の372万5000台にとどまった。

 ただ、前年割れの中でも大容量モデルは堅調に推移し、JEMAによると501リットル以上の大型については前年を上回ったという。引き続き内食傾向が強く、まとめ買いニーズが根強くあったためだ。

 また22年度上期については、09年5月~11年3月における家電エコポイント特需があったことから、当時購入された冷蔵庫の買い替えサイクルが始まるため、需要が高まると見られる。

 冷蔵庫の買い替えサイクルは12.9年(内閣府消費動向調査・20年4月~21年3月に買い替えた世帯平均)で、既に買い替え需要は始まっているともいえる。

 家電エコポイント当時の冷蔵庫の容量は451~550リットルのゾーンが約38%に対し、351~450リットルが約51%と、今現在よりは一回り内容量が小さい400リットルクラスの冷蔵庫が主流だった。

 これが20年になると逆転し、451~550リットルが約53%、351~450リットルが約36%となり、大型化が加速している。

 大容量冷蔵庫の販売構成比が着実に高まる中で、まとめ買いによる肉・魚など食材の長期保存や冷凍食品のまとめ買いといったニーズに応えて、冷凍庫の大型化、冷凍技術の進化など、鮮度保持性能が進化している。

 また、省エネ性能の追求、さらにはIoT化による使い勝手の向上、清潔性能の進化、さらにデザイン性の高さなど、各社さまざまな視点で冷蔵庫の進化に力を入れている。