2022.07.13 空調で支えるアフターコロナの働き方三菱地所ホームと日機装がタッグ

システムの設置イメージ(天井からおろしています)=東京都新宿区

披露された新オフィス。手前はカフェのスペース。ガラスの向こうが執務スペース披露された新オフィス。手前はカフェのスペース。ガラスの向こうが執務スペース

 フリーアドレスなど柔軟な働き方を、きれいな空気で支える。そうした取り組みを不動産業界と空調関連の機器メーカーが進めている。

 手掛けているのは、三菱地所ホームと日機装。その率先垂範とばかりに、三菱地所ホームが先月から移転・稼働させた新本社のオフィスに、日機装が業界に先駆けて展開する空間除菌消臭システムを実装した。

 従業員らの健康や働きやすさを後押しする。さらに三菱地所ホームとして今後、顧客への提案に、システムを選択肢として盛り込んでいく。いわば本社がオフィス兼ショールームになるような形だ。

 東京・東新宿にできたオフィスは、最近流行のABW(仕事に応じて席を選ぶ仕組み)を採用しだだけでなく、ファミレスのような席や、様々な高さの机、ウェビナーに向いた席、本や雑誌が並び図書館の児童書コーナーのようにくつろげる空間など、様々な仕掛けがある。また、カフェのコーナーも充実し、レストランのような親しみやすい雰囲気。顧客に個性豊かなデザインを提案し、また、偶発的な出会いなどを通じて「共創」をめざすだけに、オフィスとは思えないようなたたずまいでもある。

 そうした最新オフィスに付加価値を持たせるのが、この空間除菌消臭システム。6月に発売したばかりで、この社屋への採用が皮切りになる。

 このシステムには大きく二つの狙いがある。

 一つは、新オフィスの在り方とも密接に関係する。コラボレーションに向け、共創空間の工夫がこらされているだけに、「社員が細菌やウイルスの存在を意識することなく、より安心して交流できる空間に」(担当部長)との狙いがある。かといって、大きな機器を床に置いては、目立ってしまう。そこで、天井にはめ込めて静かに動き、高性能なものをめざした。

 そこで日機装は、このオフィスへの納入をスケジュールとして想定。ノーベル賞受賞者と共同開発したLEDを搭載し、高性能で消耗品交換などが不要な製品を開発した。

 もう一つは、両社の協業。両社はかねて、全館空調システムや加湿システムなどでコラボしてきた。新オフィスで、空間除菌消臭システム採用することで、社外からの来訪者の目にも触れる。さらに、社員らが効果を体感し、より説得力を持ってお客様へ選択肢として提案できる、との目標にもつながる。

(14日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)