2022.07.28 【半導体/エレクトロニクス商社特集】中国、半導体製造装置の国産化進む上位10社の売上高合計が過去最高

中国NAURAのエッチング装置

 半導体産業の広がりに比例して、半導体製造装置企業の台頭も活発になっている。中国の半導体製造装置市場はこれまで露光装置(ASMLほか)、コータ・デベロッパー(東京エレクトロンほか)、エッチング装置(ラムサーチほか)、CVD装置(アプライドマテリアルズほか)など米欧や日本企業のシェアが高く、中国の製造装置企業は太陽電池やLED向けを主力としてきた。しかし、米中貿易摩擦による国産化が加速している。露光装置、エッチング装置、リソグラフィー装置、CMP装置、イオン注入装置、テスト装置など技術レベルの差はあるにしても多くの半導体製造装置が内製化されつつあると見られる。

 中国の半導体市場調査会社であるCINNO Researchが7月に発表した2021年における中国国内上場企業の半導体製造装置事業の売上高ランキングトップ10によると、上位10社の売上高合計は前年比73%増の182億元(約3700億円)で過去最高を記録した。

 売上高トップのNAURA(北方華創)は半導体製造装置事業としてエッチング、PVD、CVD、ALD、洗浄、熱処理などを製造しており、UV硬化装置なども自社生産を始めたとの報道もある。2位のAMEC(中微半導体設備)の主力はエッチング装置、ALD装置で、最先端となる5ナノメートルプロセス用ドライエッチング装置を開発し、TSMCやNANDメーカーのYMTCから認定を受けているといわれる。。3位のACM Shanghai(盛美上海)は半導体洗浄装置の中国大手。中国に新工場を建設し、23年の稼働を目指している。4位のHangzhou Chang Chuan Tech(長川科技)は試験機、選別機、プローブステーションなど半導体試験装置を手掛けている。

 5位のShenzhen Xinyichang Technology(新益昌)は、LEDボンダーやコンデンサー老化試験、ダイボンダーなどを自社生産している。中国のLEDダイボンダー分野でトップに立っている。6位のHuafeng Test&Control Technology(華峰測控)は、中国の半導体試験装置業界最古参の1社。7位のKINGSEMI(芯源微)は、接着剤の現像やエッチング、洗浄装置など、主に半導体ウエハー製造の湿式プロセス装置を得意としている。

 8位のHuahaiqingke(華海清科)は、主に化学機械研磨(CMP)や、ウエハー再生ファウンドリサービスを行っている。9位のTuojing Technology(拓荊科技)は、プラズマ強化化学気相成長(PECVD)装置、原子層堆積(ALD)装置、二次常圧化学気相成長(SACVD)装置を製造している。10位のPNC Process Systems(至純科技)は、高純度プロセスシステム、半導体湿式プロセス装置、光センシング、光学デバイスなど。自社製装置を用いた使用済みウエハーの再生事業も開始した。