2022.08.22 競技人口1000人、お台場で車いすバスケの合宿三菱が競技用車いす贈呈

三菱電機から競技用車いすが贈呈された



 下は小学生から上は51歳の幅広い年齢層が集結――。三菱電機がオフィシャルパートナーを務める日本車いすバスケットボール連盟(JWBF)は、19日から21日まで28人が参加した「お台場チャレンジャーズ」を開催した。東京・台場の日本財団パラアリーナで行われた合宿形式のイベントで、車いすバスケの競技人口拡大の取り組みだ。

 JWBFは10年ほど前からこうした合宿形式の「選手発掘」に取り組んできた。現在の男子日本代表の赤石竜我選手も、この取り組みで発掘された一人だ。

 三菱電機は今回、車いすバスケのすそ野拡大を支援するために、全部で15台の競技用車いすを贈呈した。お台場チャレンジャーズにも「三菱電機presents」の冠が付き、車いすバスケの支援に力を入れている。

 上野麻子サステナビリティ推進部長は「オフィシャルパートナーとなってから従業員も車いすバスケに非常に興味を持つようになった」とした上で、「これからはさまざまな人がお互いを認め合う共生社会を考えていかなければならない。車いすバスケの支援を通し、当社もチャレンジさせてもらっている」と意義を強調する。

 JWBFの玉川敏彦会長によると、現在の車いすバスケの競技人口は1000人ほど。そのうち、選手登録しているのは約700人。JWBFは全国を10ブロックに分けて活動しているが、約150人という最大の登録者数を誇る関東地区は「選手の育成や強化には特に力を入れており、三菱のおかげで選手層の底上げができている」(髙橋俊一郎・関東車椅子バスケットボール連盟代表理事)と支援を歓迎する。

全国から集まった参加者が自己紹介している様子

 泊りがけの合宿形式にしているのは、密度を濃くして車いすバスケへの関心を高めるためだけでなく、参加者の自立心を育てることを目指しているからだ。参加者は、保護者の同伴はなく、身の回りのことを全て自分でやらなければならない。「ADL(日常生活動作)がしっかりできないと参加できない」(玉川会長)。宿泊する機会を作りにくい車いす生活で、そこから一歩踏み出し、自信を身に着けてもらうことを目指した活動でもある。参加後の子どもの成長ぶりに目を見張る親もいたという。

 選手発掘という観点で、これまで20代までとしていた年齢制限を今回から緩和。年齢、性別を問わず幅広く募集したところ、50歳を超える参加者もいた。

 3日間にわたる「お台場チャレンジャーズ」のテーマは「チャレンジ」。多様な価値観を認め合うことの重要性が高まる中、次の10年を見据え、JWBFも選手層のすそ野を広げる新たなチャレンジに乗り出した。