2022.09.08 離れていても脈波センシングで感情の「見える化」 三菱電機などがセンサー開発

技術のイメージ(提供=三菱電機)

 ウエアラブルデバイスなどを身に着けなくても、非接触で高精度に人の脈波を計測し、独自のアルゴリズムで感情を推定し、見える化する。そうしたバイタルセンサーを世界で初めて開発したと、三菱電機が発表した。富士通コンポーネントやカレアコーポレーションと共同の取り組み。世界初の技術を実現し、「エモコアイ」として、さまざまな社会課題解決などアプリケーションへの展開を図る。今年度に搭載開始が見込まれる。

 コロナ禍や働き方改革の中、在宅ワークも広がるが、集中しづらかったり、コミュニケーションの機会が減ってストレスが増えたり、といった課題がある。従来もセンサー、リストバンド、脳波計などで、生体情報を計測する取り組みがある。センシングを活用しつつ、感情を推定する試み。ただ、装着性やプライバシー面などが課題になってきた。

 三菱は、非接触計測ができるドップラーセンサーを用い、自律神経系ではなく、中枢神経系と脳活動との相関性に着目。神経の「活動量」を客観化・見える化する技術を実現した。センサー単体で生体情報の計測から感情分析・見える化まで情報処理(エッジ処理)できるのは世界初という。

 担当者は「今年度中に搭載予定。家電製品をはじめヘルスケア、睡眠、労務管理、カスタマーサービスなど人の感情データを活用できる幅広い分野の製品・ソリューションに順次適用する」と話す。

(9日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)