2022.09.27 先進光学衛星「だいち3号」、デバイス面の新機能ふんだんに

公開された「だいち3号」

 JAXAから三菱電機が受注し、年度内の打ち上げを目指している「だいち3号」が今月、同社の鎌倉製作所で報道陣に公開された。秘匿性の高い研究開発が多く、同社社員でも入るのにハードルが高いという施設で、機体を取材した。

 1棟がほぼクリーンルームになっているような施設。エアシャワーなどを通ると、機体が「鎮座」している。重さ約3トン。ISSより高い高度680キロの軌道に乗る予定。観測幅が広く(70キロメートル)、かつ、地上分解能が高い(0.8メートル)という特徴がある。南海トラフなども想定し、広い地域のデータを精緻にとれる。たとえば、車線単位の被災状況もつかめそうだ。

 これを支えるのは、光学系センサーをはじめ、アンテナや半導体を含め、デバイス・部品をめぐる最新の取り組み。たとえば、先行する「だいち」で確立した技術をもとに「軸外し4枚鏡光学系」を開発した。衛星が重いとコストもかかるため、軽量化が必要とされる中、鏡をハニカム構造をにし、かつ、従来3枚のところを4枚にしつつ、軽量化を実現した。また、新規開発した半導体素子やレンズも活用される。

 また、通信モジュールも三つ用意されている。「ぶれ」を防ぐようなアクチュエーターを採用した。内部には1テラ相当のメモリーもある。

 「出来としては完璧」とJAXA幹部も太鼓判を押した。