2023.01.18 【情報通信総合特集】Dynabook 覚道清文社長兼CEO

より強固なセキュリティーニーズ対応

 市場環境は円安、コスト面の上昇など厳しい状況にあるが、企業や官公庁向けなどのBtoB市場は、堅調に推移している。在宅とオフィスのハイブリッドワークが定着し、パソコン(PC)の使われ方も変化した。また、GIGAスクールで導入したITの本格的な活用が始まっている。

 2022年度は、製品面では、ハイブリッドワークが定着する中、オフィス、外出先などさまざまな場所やシチュエーションで高いパフォーマンスを発揮できる製品のラインアップを拡充している。より強固なセキュリティーのニーズが高まっており、NIST(アメリカ国立標準技術研究所)のガイドラインに準拠するとともに、OS起動前への攻撃もガードする強力なセキュリティー対策を施した「Secured-core PC」を搭載。ゼロトラストセキュリティーを前提とした商品化を進めている。

 ソフトサービス面では、クラウドソリューション、ITインフラ構築支援などに注力している。企業向けWindows11搭載PCへのデータ移行作業をサポートする「PCリプレース支援サービス」や損害保険ジャパンと連携し事故防止のためのサービスを大幅に機能強化した新型ドライブレコーダーも供給している。また、グループ会社のAIoTクラウドでは「アルコールチェック管理サービス」のほか、12月からは家電など機器メーカー向けに、IoT製品開発に必要なツールとサポートを提供するサービスを開始した。このほか、PCの導入から廃棄までを当社が代行管理する「ライフサイクルマネジメント運用サービス」を強化拡充している。

 23年度のICTの市場環境は、経済面では下振れ懸念などあるものの、働き方改革、DXを背景に引き続き堅調に推移する。Windows10サポート終了に伴う買い換え需要、クラウドサービス、セキュリティー分野に注力する。作業現場を支援するソリューションなどにも積極的に取り組む。

 今年は、コンピューティングとサービスの両面で、もう一段の飛躍を目指す。