2023.01.18 【情報通信総合特集】リコー 山下良則社長

デジタルサービスの会社めざす

 2022年は、新型コロナウイルスに加え、ロシアのウクライナ侵攻、半導体をはじめとする物資不足、コスト高、サプライチェーンの混乱などがあり、経済面での影響が大きかった。一方、DX化など日本のデジタル化が進展した。

 23年は、グローバル化し、複雑になったサプライチェーンをもう一度見直し、デジタル化を加速させ、新たな成長を目指す年になる。

 当社は、デジタルサービスの会社を目指している。21年度からの第20次中期経営計画では、カンパニー制での経営をスタートし、リコーらしい事業ポートフォリオマネジメントを開始した。22年度は、経営基盤の強化としてデジタル人材の育成・強化、ITインフラの刷新を実施し、成果が出てきている。

 次期21次中計では、各地域の顧客接点における企画・開発機能の強化とグローバル連携を実現し、さらなる成長をしていくため、「地域戦略の強化」「グローバル人材の活躍」「提供商品価値の向上」を実現し、25年度には営業利益1500億円を目指している。

 デジタルサービスは、25年度で売上比率60%超を計画している。ドキュメント管理やビジネスプロセス領域で海外のDocuWare、Axon Ivy、Ceneroなどを買収。また、業務用スキャナーのトップメーカーのPFUの子会社化、サイボウズとの業務・資本提携を行い、自社ソフトを軸にしたドキュメントソリューションの強化を図っていく。

 将来財務目標として取り組むESG関連なども順調に進展している。カーボンニュートラル実現に向け、サーキュラーエコノミーを加速させる。東京大学とは、社会課題の解決と産業の発展に寄与する共同研究なども開始した。

 創立100周年となる36年に向けて「〝はたらく〟に歓びを。」をビジョンに掲げている。社員一人一人が自律的に働き、変革に挑戦することで、働く歓びを感じ、お客さまの働く歓びを支えていく。これからもお客さまに寄り添い、お客さまとの歓びの連鎖を広げていきたい。