2023.07.21 【家電流通総合特集】家電製品協会認定センター 3つの資格を運営し、家電業界のプロ育成へ

家電芸人のかじがや卓哉さんを起用し、資格取得を促す認定センターのWebサイト

西崎センター長西崎センター長

芸人起用し認知度拡大に一手

ポスター制作し、量販店の店頭に展開

 「家電製品アドバイザー」と「家電製品エンジニア」「スマートマスター」という家電とスマートハウスのプロフェッショナル資格を運営しているのが、家電製品協会認定センターだ。これらは、家電業界に関わる人材育成を目指した資格で、家電量販店や地域電器店などで取得者は広がっている。

 家電製品アドバイザーは「AV情報家電」と「生活家電」に区分が分かれ、両方取得すると「総合アドバイザー」と呼称することができる。家電に関する豊富な知識で、顧客からの信頼獲得につなげられる資格と言える。

 家電製品エンジニアはさらに一歩踏み込み、機器のセットアップからトラブルシューティングまで行えるエンジニア育成を目指したもの。アドバイザーと同じ二つの区分を取得すると「総合エンジニア」となる。

 西崎義信センター長は「量販店スタッフは保有率が高い。取得したことを誇れるよう知名度をさらに高めたい」と力を込める。

 アドバイザーとエンジニアには、エグゼクティブ等級としてゴールドとプラチナグレードがある。得点率90%以上(エンジニアは85%)という高得点で合格した人に与えられる「プロ中のプロ」の称号だ。既に資格を持っていれば「エグゼクティブ・チャレンジ」として半額で受験できる。

 昨年12月には、総合アドバイザーの資格を持つ、家電芸人のかじがや卓哉さんを起用した動画をユーチューブの吉本興業チャンネルに公開。認定センターのWebサイトからも閲覧できるようにしている。8000人超が受験した3月の試験で行ったアンケートでは、受験者のうち5%ほどが動画を視聴していた。

 消費者への認知度を高める活動の一環として、動画だけでなく、かじがや卓哉さんを起用したポスターも制作し、量販店の店頭に展開していく考えだ。「店舗でアドバイザー保有者を紹介するポスターの横などに貼ってもらうことで、来店客により認知してもらう」(西崎センター長)ことを狙っている。

 一方、スマート化する住まいと暮らしのスペシャリストを目指すスマートマスターは、家電とも密接に関わってくるため、家電流通の現場でも重要度が増している資格だ。量販店や地域店が太陽光発電や蓄電池、リフォームの取り組みを強化する中、顧客の暮らしを快適にサポートできる人材の育成につなげることを目指しており、「家電流通に携わる人の取得率が高い」(西崎センター長)。総合アドバイザーまたは総合エンジニアの資格取得者であれば「スマートハウスを支える機器・技術の基礎」という科目を受ける必要はなく、「スマートハウスの基礎」の受験だけで済む。

 次回の試験は9月1~14日まで。この試験期間のうち、「CBT方式試験」により受験日時と受験会場を選べるようにしている。受験申請は今月20日から開始しており、8月10日まで受け付けている。認定センターが運営する三つの資格の更新率は高く、昨年11月からは紙ベースでの更新を基本廃止し、Webだけでの更新に切り替えた。より幅広い業種に利用してもらうことも目指し、認定センターでは今後、さまざまな取り組みを進めていく構えだ。