2023.08.07 「未来の科学者」に特別授業 「世界唯一」の統合分子構造解析拠点 東大、分析装置3社など参画
「未来の科学者」の高校生に特別授業が行われた
東京大学、三井不動産らが開設した分子構造解析の産学連携拠点「FS CREATION」(FSC、千葉県柏市)で5日、「未来の科学者」に向けた特別授業が実施された。
理数系教育に力を入れるスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定校である宮崎県立宮崎西高校の1、2年生約50人が来所し、実習などが行われた。
FSCは東大の藤田誠卓越教授、佐藤宗太特任教授が中心となった学術研究グループ(東大社会連携講座「統合分子構造解析講座」、分子科学研究所など)と民間企業が参画して昨年4月に開所。
分析装置メーカー3社が入居し、島津製作所の質量分析計(MS)、日本電子の核磁気共鳴装置(NMR)、リガクのX線回折装置(XRD)という各社の代表的な分析装置が設置されたオープンラボだ。
特別授業では、生徒たちを前に各社が分析技術を紹介。実習ではリガクのXRDが用いられ、同社の菊池貴氏が生徒が持参した化学調味料や洗剤などの粉にX線を当てて結晶の分子構造を観測した。
藤田卓越教授が開発した「結晶スポンジ法」はナノグラム程度の量の化合物を結晶にしみこませるだけで測定用の単結晶試料ができる手法。FSCはこの結晶化不要の中核技術を基に、ワンストップで分子構造解析が行える「世界唯一の統合分子構造解析拠点」となる。
今後、企業が新事業を創出できる場として機能することが期待されている。
(後日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報予定です)