2023.08.29 薬の服用の検知などで高齢者見守り 福島・会津若松で実証事業、SMKなど参画

サービスの流れ

 SMKなどが参加して、福島県会津若松市で高齢者の見守り支援サービスの実証事業が、9月から始まる。高齢者の睡眠の質改善と薬の飲み忘れ防止による健康維持改善を目的に、同社などが市や市内の地域運営組織と協働して進めるもの。異常を検知した場合、最終的に人が駆け付け安否を確認するとという、「見守りの社会実装」をめざす。

 アイラ(東京都)の「ささえiコミュニティサービス」をプラットフォームとして利用。SMKや、ICT活用のヘルスケアを手掛けるNTT PRAVITA(大阪市)、ドラッグなどを展開するアインホールディングス(アインHD)、ALSOK福島が、同市や市内の地域運営組織「みんなと湊まちづくりネットワーク」と協働する。日常生活での高齢者の「服薬」と「睡眠」に焦点を当て、ICTによる自然な生活の見守りと、その生活データによる「非日常(異常)検知」から「駆け付けサービスによる安否確認」まで一連の流れを実証する。

 一つの柱は、SMKとアインHDの「スマート薬箱」のサービス。在宅患者の薬の飲み忘れを防止するため、決められた時間に「スマート薬箱」が音と光で服薬を促す。

 また、その引き出しの開閉を検知して、クラウドへ送信。クラウド上のデータを服薬データとしてアインHDの薬剤師が閲覧することで、患者への適切な服薬支援アドバイスに役立てることができる。

 もう一つは、NTT PARAVITAの「ねむりの見守り」サービス。布団やマットレスの下に配置したシート型睡眠センサーで睡眠データを収集・分析し、月に1度のカウンセリングを「ささえiコミュニティサービス」のビデオ電話でする。これにより行動変容を促し、睡眠の質の向上を目指す。

 今回の実証では、この2サービスで検出した「服薬」と「睡眠」の異常状態をアイラの「ささえiコミュニティサービス」の機能を利用し、家族(または自治体の担当者など)に通知。通知を受けた家族は、見守り対象者の安否がビデオ電話などで確認できない場合、ALSOK福島に「駆け付け依頼」をする。

 「服薬」と「睡眠」の悩みに寄り添い改善をサポートするだけでなく、これらのサービスが連携し、異常を検知した場合、最終的に人が駆け付け安否を確認する形。手厚くシームレスな連携として期待されそうだ。

 (28日、30日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)