2020.03.02 太陽光パネルのリサイクルまでを登録管理 ガラスリサイクル業界団体が仕組み発足

新しい仕組みを担う部会が2月下旬に発足した。

ガラス再資源化協議会は2月下旬に開かれた展示会で、新たに発足させた部会についても紹介した。ガラス再資源化協議会は2月下旬に開かれた展示会で、新たに発足させた部会についても紹介した。

ブロックチェーン技術で、長期データベース化へ

 災害時などに大量廃棄が懸念される太陽光パネルについて、ガラスメーカーやリサイクル企業などでつくる業界団体、ガラス再資源化協議会(GRCJ、東京都港区)が、出荷から廃棄、リサイクルまでを自主的に管理する仕組みを発足させた。

 ブロックチェーン技術でデータベース化し、長期間にわたる安全な管理システムの構築を目指す。この仕組みをもとに法制化される可能性もあるという。

 新たな仕組みを担うのは、約60の企業などが加盟する同協議会に2月下旬に発足した「3R:PVLiB部会」。「リデュース」「リユース」「リサイクル」の3Rなどから名付けた。

 太陽光モジュールでは、セルなどを覆う板ガラスが全体の重量で最も多い約60%を占める。それに次ぐアルミニウム(15.8%)や充填材(11.8%)を大きく上回る。瓶やガラスのリサイクルなどを推進する同協議会が、モジュールのリサイクルの中心を担うとして仕組みづくりに乗り出した。

 背景にあるのが、右肩上がりで増加するメガソーラーなどの太陽光パネルの廃棄問題だ。12年7月から始まった再生可能エネルギー固定価格買取(FIT)制度以降、太陽光パネルの導入は全国的に進んだが、耐用年数が20‐30年とされるため、使用済みパネルの排出量は30年代半ばごろから急増する見込みだ。15年には約2400トンと推定され、40年には約80万トンに達するとの試算もある。

 一方、直面する課題が、異常気象による台風や大雨といった災害の影響。倒壊して廃棄されるパネルは数千枚に及ぶことも想定され、そのまま埋め立て廃棄される恐れがあり、早期の対応が求められていたという。

 既に、同協議会は東京大学やリサイクル企業などと連携して、17年度に環境省の実証事業を実施。中古の太陽光パネルや、自家消費用として活用が見込まれる電気自動車(EV)の蓄電池をリユースしたり、リサイクルしたりした場合に、導線などに含まれる銅や銀などの有価金属を採取できる量やコストなどを試算し、問題点を洗い出した。リユースでは、ケニアの学校などで活用される検討も進んでいるという。

 新たに立ち上げた仕組みでは、モジュールの製造番号などをメーカーや代理店、発電事業者などが登録してデータベース化する。

 市場に出荷される段階から設置・稼働後、リサイクル、リユースされるまでを追跡しながら承認。廃棄時には分別してリサイクルしたり、リユースしたりすることを最終確認して、廃棄証明なども発行する仕組みだ。

 さらに、こうした仕組みにブロックチェーン技術を活用するテストを行っている。廃棄されるまでの20‐30年もの間、登録を管理する必要があり、業者らによる改ざんを防げることができ、秘匿性も保て、安定性が増したシステムになるという。年内の完成を目指す。

 既に先進地の欧州では法整備化され、ベルギーに本部を置く団体が同様に太陽光モジュールのリサイクルを管理している。国内でも将来的に、同協議会の仕組みをもとに法制化される可能性があるという。

 立ち上げの中心的なメンバーで、「3R:PVLiB部会」副部会長の淵上祥児氏は、新たな仕組みで「リユース率、リサイクル率をどこまで高められるかが重要だ」としたうえで、「処理費用などをデポジットする制度の議論も国では進んでいる。こうした制度と絡みながら、法制化される可能性もあるため、さらに不整合のないシステムを作り上げていきたい」と話している。