2023.11.07 米オンセミのエルコーリー社長が事業方針説明 パワー半導体とイメージセンサーで市場優位性

事業方針を説明するオンセミのエルコーリー社長

 米オンセミは7日、都内でメディア向け説明会を開き、ハッサーン・エルコーリー社長兼CEOが2020年12月の就任以来、初めて日本のメディアの前で事業方針を語った。

 エルコーリー社長はイメージセンサーとパワー半導体の主力2分野の市場優位性について説明。世界首位のイメージセンサーは自動車向けが46%、ADAS(先進運転支援システム)向けに限ると68%のシェアを占める。パワー半導体は世界2位(シェア9%)で、「今後、半導体市場の成長率を上回る成長の実現」に自信を示した。

 日本のEV(電気自動車)普及の遅れについて問われたエルコーリー社長は「世界のEVの発展に比べると確かに(進捗に)ずれがある」としながら、ここ数カ月は「(EV展開に関する)日本メーカーの積極的な姿勢が見られる」とし、OEMと連携して今後の市場加速に対し貢献を果たしたいとの意欲を示した。

 サイモン・キートン副社長はパワー系の戦略について紹介。SiCブールからウエハー、サブストレート、エピタキシャル、デバイス製造まで一貫して手掛ける「垂直統合」が競争力の要因と強調。SiCだけでなくMOSFETやIGBTなどシリコンのパワー製品も幅広くそろえ、「EVやインフラなどに対して統合的なソリューションを提供できる」と述べた。

 SICで高いシェアを誇る同社だが、GaN(窒化ガリウム)についてキートン副社長は「高いスイッチング周波数が特徴で電源製品向け」とし、現時点で「主要な注力分野とは考えていない」とした。一方で「自動車や産業向けでの可能性は評価を続けている」とし、将来の製品化については含みを残した。

 (8日付の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)