2020.03.10 【中部産業特集】日本ガイシ IoTデバイス用電源「エナセラ」 コイン型量産開始

「エナセラシリーズ」(右が「エナセラ コイン」)

 日本ガイシは昨年12月、IoTデバイス用電源「EnerCera(エナセラ)」シリーズのコイン型「EnerCera Coin(エナセラ コイン)」の量産開始を発表した。

 また、新たに85度で動作できる高耐熱タイプの開発にも成功し、同月からサンプル出荷を行っている。85度で使用可能なリチウムイオン二次電池は、世界で初めて。

 エナセラ コインは、小型ながら高容量かつ回路基板にリフローはんだで高温実装できるので、複数のデバイスメーカーで採用が見込まれている。

 同社は、セラミック製の積層電池部材に少量の電解液を浸み込ませた独自の構成(半固体電池)の熱安定性が高いことに着目。高温での動作が可能な設計とすることで、リチウムイオン二次電池としては世界初の使用温度85度を実現した。

 高耐熱タイプは、85度で1000回充放電を繰り返した後でも、95%以上の容量を維持できる性能を持ち、IoTデバイスで求められる期待寿命10年を実現した。車載機器やFA機器、屋外IoT機器での使用に適している。

 エナセラ コインは、回路基板向けでリフローはんだ実装が可能な高容量タイプと高耐熱タイプに加えて、スマートウオッチなどのウエアラブル端末向けに開発中の大電流タイプの3タイプで、IoTデバイスへの採用拡大を目指す。

 エナセラシリーズは、電極に独自の結晶配向セラミックス板を採用した、小型・薄型でエネルギー密度の高いリチウムイオン二次電池。耐熱性が高いので、デバイスへの高温実装に対応できるのが特徴。

 厚さ1-2ミリメートルのエナセラ コインと、厚みが0.45ミリメートルの超薄型で、カード規格の曲げ耐性に対応しICカードにホットラミネート加工で実装できる「エナセラ パウチ」の2モデルをそろえている。

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