2024.06.06 【ITサポートサービス特集】OKIクロステック HAサービスを強化 顧客の業務に踏み込み支援

福世 常務執行役員

 OKIクロステックは、24時間365日体制のカスタマーサポートセンターと全国約180のサービス拠点網を生かした、HA(ハイアベイラビリティー=高可用性)サービスの展開を強化する。企業の情報システム部門をはじめ、顧客の要望に柔軟に対応できるサポートが特長で、企業が本来行うべき業務に専念できるような支援を進めていく。

 HAサービスは受付代行からヘルプデスク、監視運用、運用代行、オンサイト保守まで企業の目的に合わせて利用できるメニューをそろえており、予兆保守なども可能。中核となるカスタマーサポートセンターは開設から今年で25周年を迎え、年間114万件の対応を行っている。

 受付代行はOKIのノウハウを生かし、マルチベンダーで支援できるほか、ヘルプデスクサービスは同社が社内で蓄積しているFAQを生かして、より効果的な対応ができるようにしている。

 福世明常務執行役員サポートサービス事業本部長は「ヘルプデスクを請け負うだけでなく、FAQサイトを公開し顧客自らがITリテラシーを高められるよう支援している」と話す。従業員2000人規模でのヘルプデスク成功事例も出ている。

 サーバーをはじめとしたシステムの監視運用サービスは、OKI独自の仕組みを使い、顧客のサーバーにソフトなどをインストールせずに監視ができる。ネットワークの監視では自動構築と復旧も可能だ。PBX(構内交換機)監視と運用代行のサービスは、独自の遠隔監視システムにより、きめ細かい監視運用が行える。

 新たに展開している拡張版のPBX-HAサービスでは、顧客専用のウェブポータルによって自らがウェブ上で状況を確認できるようにした。

 全国の拠点網を生かしたシステム保守ワンストップサービスは、ベンダーを問わずシステムを一括サポートする。運用代行とヘルプデスクは既に140案件を請け負っており、「今後も増やしていく」(福世氏)計画だ。

 2024年度はサービス基盤を生かして、より顧客の業務に踏み込んで支援していく。ハードやネットワークの運用保守に加え、顧客の困り事を聞き取り、業務のノウハウなどを同社自ら習得しながら高度な保守運用を請け負う。福世氏は「ITアウトソーシングの高度版を目指す」と説明する。

 ヘルプデスクではITだけでなく業務に関するFAQの作成を支援して高度化を図るほか、顧客へ対応状況をフィードバックすることで内容をさらに進化させていく。

 現在はソフト開発会社からの委託も増えてきた。センターでの受付内容をフィードバックして次のソフト開発に生かせるような支援を行うので、保守サポートの受付の負荷を減らしつつ、より高度な新規ソフト開発に専念できるようになる。

 福世氏は「顧客企業側にエンジニアを派遣し業務や作法を習得させることで、IT周りだけでない、より高度なサポートができる」とみる。

 従来の保守サポート領域に加え、新領域として「GX(グリーントランスフォーメーション)」と「医療」分野の支援を掲げる。GXは自社でも創蓄連携モデルを構築した展開を図るほか、医療分野では医療機器のHAサービス化を進める。電子カルテベンダーとはヘルプデスク領域での協業も目指す。

 福世氏は「医療向けにネットワーク構築からセキュリティーまで提案していきたい」と話している。