2025.01.07 「エンタメにフォーカスする」 ソニーG、新技術でクリエイターら支援 十時社長がCESに登壇

エンタメに焦点を当てた戦略を説明する十時社長

グループ会社のアニプレックス登壇などエンタメ色を強く打ち出す演出もグループ会社のアニプレックス登壇などエンタメ色を強く打ち出す演出も

 【ラスベガス(米ネバダ州)=CES取材班】ソニーグループが、エンターテインメントを軸とした事業戦略を加速させる。6日(現地時間)、映像制作などのクリエイティブな活動の自由度を高める新たな移動体撮影システムや空間コンテンツ制作のソリューションを発表。エンタメ色を強め、アニメといった日本発コンテンツを生かし、米国市場をはじめグローバルで事業の拡大を目指していく。

 「エンタメにフォーカスし、投資も行う。ミュージシャンやゲームデザイナーなど人材育成にも力を入れていく」。ソニーGの十時裕樹社長COO(最高執行責任者)兼CFO(最高財務責任者)は、プレスカンファレンス冒頭で今後の方向性をこう明言した。

 同社は昨年5月、エンターテインメントを中心とした10年後のありたい姿を示す長期ビジョン「Creative Entertainment Vision」を発表。CESに合わせた今回の発表は、ビジョンで示した内容をより具体化したものだ。

 ソニーGは今回、家電系の発表は一切せず、エンタメに振り切った内容にした。目玉の一つが、空間コンテンツ制作を支援するソフトとハードを統合した新ブランド「XYN(ジン)」の立ち上げだ。

 ジンの第1弾として、体に装着する12個のセンサーをパソコン用アプリと連携することで、モーションキャプチャーを生かしてコンテンツ制作しやすくするシステムの提供を3月下旬に開始する。VFX(視覚効果)などを手がけるグループ会社ピクソモンドが開発した移動体撮影システム「PXO AKIRA(ピクソ アキラ)」で、車やバイクを動くプラットフォーム上に置くことにより、リアルなバーチャルプロダクション活用の撮影を可能にしたことも明らかにした。

 さらに、電気自動車(EV)開発を進めるソニー・ホンダモビリティが、「AFEELA1(アフィーラ ワン)」の受注を同日から開始したことも発表。米国カリフォルニア州限定だが、価格は8万9900ドルからとなる。