2025.08.08 AIが採血の呼び出し時間予測 藤田医科大と日立ハイテクがシステムを本格運用
呼び出し時間が印字された採血受付票の見本
藤田医科大学(愛知県豊明市)と日立製作所子会社の日立ハイテク(東京都港区)は、AI(人工知能)が採血の呼び出し時間を予測して患者に通知するシステムの本格運用を藤田医科大学病院で始めると発表した。このシステムで外来患者の待ち時間を短縮し、採血待合室の混雑緩和や患者の心理的負担の軽減につなげる。
両者は、2020年10月に共同研究講座「先端臨床検査技術開発講座」を開設し、AIとロボットを病院臨床検査部へ導入する研究を行ってきた。
今回の「採血呼出し時間予測AIシステム」は同講座の成果で、病院の採血室で受け付けした患者の待ち時間を可視化できるようにした。さらに待ち時間の見通しも分かるため、待ち時間の過ごし方や場所を選びやすくなる。この結果、患者が滞在する場所の分散化が進み、待合室の混雑解消につながる。
2023年9月には、採血の受付票に呼び出しを印字する実証実験を開始。「プラスマイナス4分以内で予測精度が94%」という高い精度を維持しているという。
同大を運営する藤田学園は、医療従事者の負担軽減と業務の効率化を図り質の高い医療を提供しようと、院内でAIとICT(情報通信技術)の導入を推進。日立ハイテクは、血液検査を中心とした体外診断システムなどを手がけ、健康な暮らしの実現を支援している。