2025.10.24 FETの発熱低減とEMI抑制を両立 ローム、三相ブラシレスモータードライバーICを開発 

 ロームは、中耐圧(12〜48Vシステム)向けの三相ブラシレスDCモータドライバーIC「BD67871MWV-Z」を開発した。独自のー駆動ロジックを搭載することで、モータードライバーICではトレードオフの関係にある電界効果トランジスタ(FET)の発熱低減と低電磁妨害(EMI)を両立した。 

 新製品は、FETからの電圧情報を高速センスし、リアルタイムにゲート制御する独自のアクティブゲートドライブ方式「TriC3トリック スリー」を搭載。この制御方式を採用することで、スイッチング時のFET低消費電力化による発熱低減と同時に、スイッチング時に発生する高周波の振動などのリンギングの発生を抑制し低EMIも実現した。 

 定電流駆動の同社従来品との比較では、同等のEMIレベルでFETの発熱を約35%低減できることも実際のモーターで実証。また、中耐圧の産業機器アプリケーション向けモータドライバICで多く用いられるパッケージとピン配列を採用しているため、回路変更や新規設計時の工数削減に貢献する。 

 新製品は9月から量産を開始(サンプル価格800円/個、税抜)。さらに、アプリケーションの開発や設計に役立つ評価ボードも準備した。インターネット販売にも対応。新製品と同パッケージ、同ピン配置で定電圧駆動の汎用モータドライバ(BD67870MWV-Z、BD67872MWV-Z)もラインアップした。 

 産業機器では電動ドリル・ドライバー、産業用ファンなどの各種モーター向け。民生機器では掃除機、空気清浄機、エアコンディショナー、換気扇用ファンなどに搭載される各種モーター、Eバイク(電動アシスト付きスポーツ自転車)向け。