2025.10.27 【次世代自動車用部品特集】日本シイエムケイ 多彩な車載回路基板で ECU統合に寄与

シイエムケイは多様な基板のラインアップをそろえる

 日本シイエムケイは、新たなモビリティー社会に向け日々進化する自動車のCASEニーズに対応する製品の開発、量産化を加速する。電動車(xEV)化により駆動ユニットはeAxle(イーアクスル)へ進化し、先進運転支援システム(ADAS)は完全自動運転への深化が進むなか、車載部品の電子制御ユニット
(ECU)はドメインコントロール型統合、ゾーン統合型へ形を変え複数のECUに分散していた各種機能を統合するトレンドにあり、同社の強みである多彩な車載回路基板のラインアップが市場の要求に適合。多層・多段ビルドアップ、微細化・高精細回路、低損失・高周波特性基材、高放熱・高耐熱基板といった複合技術が統合ECUに寄与している。

 車載ニーズを捉えた高機能プリント配線板として開発、量産化を進めるミリ波モジュール用基板はアンテナ部と制御の機能を一体化した製品が普及期を迎えた。高周波特性を実現する低比誘電率(Low-Dk)、低誘電正接(Low-Df)基材の高機能材料と制御部を担うはんよう材を組み合わせた高密度配線(HDI)構造を特徴とし、アンテナ部に高精度なけい回路の形成が可能なMSAP工法を取り入れている。

 自動車向け次世代プリント配線板として100A超の大電流用途に対応する厚銅回路基板、大電流バスバー回路と制御用微細回路を同一層内に配置した異種導体厚混在基板、ヒートシンク機能を基板表面に取り込むヒートシンクペースト(HSP)塗布基板、高熱伝導樹脂を導通穴に充塡じゅうてんする高放熱スルーホール基板を用意している。また、ダイワ工業が保有する放熱特性に優れたプリント配線板「DPGA基板」の通常実施権を取得し、銅インレイ基板など多様な放熱技術をそろえる。

 空飛ぶクルマや低軌道衛星など航空宇宙関連市場向けに、宇宙航空研究開発機構(JAXA)認定のもと高信頼・高耐環境基板の開発、供給体制も構築。新興宇宙開発、ニュースペース関連のスタートアップと連携し独自技術を生かして製品を開発する。