2025.10.29 絶好調アドバンテスト、AI関連で27年度以降も力強い成長を予測

アドバンテストが9月に発表したシステムレベル・テストシステムの新ソリューション「7038 Single Test Rack」

 半導体検査装置(テスター)大手アドバンテストは人工知能(AI)分野について2027年度以降も力強い成長を見込み、次期中期経営計画に反映させていく方針を明らかにした。2026年3月期第2四半期(25年度4~9月期)決算説明会であらためて打ち出した。

 ダグラス・ラフィーバ代表取締役は「26年度について楽観的な見通しを持っている。24~26年度中期経営計画のレンジ(振れ幅)の中のハイエンド(上限)近くを見越している」とし、26年暦年のシステム・オン・チップ(SoC)、メモリー両検査装置市場をポジティブに考えているとした。

 26年度より先の見通しについても、AIに関する5年間の年平均成長率(CAGR)を示す各種の公表数値や、アドバンテストの検査装置が強みを持つ台湾積体電路製造(TSMC)の先端半導体パッケージング技術「CoWoS(コワース)」による製品の生産能力向上に向けた取り組みや、多数の大規模データセンターの建設などを挙げ、AI分野は「26年、27年度以降も複数年にわたって力強い成長が続く」とし、これを踏まえ次期中期経営計画を考えるとした。

 同社の25年4~9月期連結決算は売上高、各利益が過去最高を更新。併せて通期予想も売上高、各利益について前回発表から増減率にして2桁台の上方修正を行い、24~26年度中期経営計画の財務目標も引き上げた。AI関連向け半導体の複雑化や性能向上、生産数量の増加などを背景に、試験装置需要が高まるとしている。