2025.10.30 パナソニックHD、通期業績予想を下方修正 4~9月期は減収減益 車載電池低迷響く

「厳しい市況の中でも構造改革の成果を着実に出していく」と語る楠見グループCEO「厳しい市況の中でも構造改革の成果を着実に出していく」と語る楠見グループCEO

 パナソニックホールディングス(HD)が30日発表した2026年3月期第2四半期(25年7~9月)連結業績は、海外での家電・ルームエアコンや車載電池の国内販売の減販、オートモーティブ非連結化により減収となり、車載電池の大幅悪化などにより全体で減益となった。

 売上高は前年同期比90%の1兆9238億円、調整後営業利益(率)は同74%の904億円(4.7%)、営業利益(率)は同59%の781億円(4.1%)、当期純利益(率)が同60%の709億円(3.7%)、EBITDA(率)は同75%の1823億円(9.5%)だった。

 上期(4~9月)も減収減益で、売上高は前年同期比89.9%の3兆8204億円、営業利益が同76.4%の1649億円、中間純利益が同76.6%の1524億円となった。

 米国の電気自動車(EV)市況の悪化やIRA(インフレ抑制法)補助金の減少などが響いて車載電池事業については、25年度通期見通しでは、期初想定より売上高が1280億円減の4260億円へ、調整後営業利益を620億円減の360億円へと見直す。

 これにより全社の通期売上高は、25年5月の公表値7兆8000億円から1000億円減の7兆7000億円に下方修正する。

 また、調整後営業利益については、当初織り込んでいなかった米国の関税影響300億円分を下方修正し、5000億円から4700億円に見直す。対前年実績については増益となる。

 オンライン会見に臨んだ楠見雄規代表取締役社長執行役員グループCEOは「厳しい業績だが、26年度の調整後営業利益6000億円の目標は維持する」と語った。グループ経営改革の進捗にも触れ、「テレビ事業と冷蔵庫を含むキッチンアプライアンス事業は26年度には課題事業からの脱却に目途がついた」と述べた。

 産業デバイス・メカトロニクス事業についても着実な改革が進展。グループ全体の人員最適化についても予定通りの進捗(しんちょく)とする。

 先行きに不透明感が漂う車載電池事業の一方で、データセンター(DC)向け蓄電システムの需要は急速に拡大。このためDC向けに車載電池生産能力の有効活用を図るなど、二次電池事業全体の最適化に力を入れていく。