2025.10.31 TDKの4ー9月期、売上・営業利益ともに過去最高更新 通期業績予想を上方修正

 TDKの2026年3月期第2四半期(25年4-9月)連結決算(IFRS)は、増収増益となり、売上高と全ての利益項目で上期としての過去最高を更新した。ICT(情報通信技術)市場やHDD市場の堅調さが業績を押し上げた。今年度通期の売上・利益予想も上方修正した。

 4-9月期連結業績は、売上が前年同期比8.6%増の1兆1833億円、営業利益が同10.7%増の1476億円、税引前利益が同7.4%増の1474億円、純利益が同5.4%増の1114億円。齋藤昇社長は「4-9月期は、ICT市場向けの小型二次電池やセンサーの販売が増加したほか、HDDサスペンションの販売が増加した。為替の円高によるマイナス影響はあったが、中間期として売上と各利益段階で過去最高を更新した」と話した。

 4-9月期の事業別業績は全ての事業が前年同期比増収となり、センサ応用製品事業、磁気応用製品事業、エナジー応用製品事業はいずれも2ケタ以上の大幅営業増益を達成した。磁気応用製品事業の営業利益は、データセンター用ニアラインHDD向けの需要増などにより、前年同期約6.7倍に増加した。

 また、第2四半期(7―9月)単体の業績も前年同期比で2ケタの増収営業増益となり、売上高と全ての利益項目が四半期ベースの過去最高を更新した。

 同社は今年度期初時点では、不透明な市場環境を背景に、今年度の通期連結業績について「ベースシナリオ」と「リスクシナリオ」の二つの予想数字を発表していたが、今回それを見直し、リスクシナリオを取り消すとともに、ベースシナリオの売上・利益予想をそれぞれ増額修正した。齋藤社長は「米国の関税政策の影響が限定的であることや、スマートフォンやHDDなどの堅調な推移を踏まえ、通期見通しを修正した」と説明した。