2025.11.11 日立、災害対応力を強化した「次世代コネクテッドエレベーター」 26年4月発売 

「アーバンエース HF Mirai」のかご内のイメージ

 日立製作所と日立ビルシステムは、次世代コネクテッドエレベーター「アーバンエース HF Mirai(エイチエフ ミライ)」を2026年4月に発売する。建物内のスムーズな移動を実現するとともに、災害時のレジリエンス(耐性)を強化したことが売り。ビルの資産価値向上を後押しする。

 今回の新製品は、標準型エレベーター「アーバンエース HF」シリーズの次世代コネクテッドモデル。従来モデルにも搭載されている入室管理システムと昇降機が連動し、待ち時間を短縮できる。地震発生時には、エレベーターのかごを地震時管制運転により最寄り階に停止させ、乗客を避難させた後に一定時間を経て診断運転を行い、異常がなければ自動的に仮復旧する。従来モデルでは、自動仮復旧の適用範囲を震度5弱程度の揺れを示す120ガルまでとしていたが、今回のモデルでは6弱程度の200ガルまで拡大した。

 さらに、スマートフォンをBluetooth(近距離無線通信) で入退室管理システムと通信させることで、非接触でエレベーターを呼び出したり、エントランスを自動解除したりできる。ロボットの制御装置とエレベーターを専用信号で接続することで、ロボット専用エレベーターとして運用することも可能だ。

 自動車とさまざまなモノをつなぐ「V2X(Vehicle to X) 」システムを採用したことも特徴で、平常時は電気自動車(EV)用の急速充電器として機能する。災害時には、EVのバッテリーでエレベーターを稼働。給排水や空調、照明などのビルインフラに電力を供給することもできる。

 エレベーターのデザインは、世界的なプロダクトデザイナーの深澤直人氏が代表を務める「NAOTO FUKASAWA DESIGN LTD.」が監修した。