2025.11.18 韓国SKキーファウンドリー SKパワーテックを買収 SiC半導体で攻勢へ                                                    

SKパワーテックの買収で、SiC パワー半導体を強化するSKキーファウンドリー

 韓国のSK Keyfoundry(SKキーファウンドリー)がSK Powertech(SKパワーテック)を買収した。親会社のSK Incから98.6%の株式を取得したもので、買収額は3月の買収計画発表時に250億ウォン(約27億5000万円)と公表されている。  

    SKパワーテックは、前身が韓国のイエス・パワーテクニクス。SiC(シリコンカーバイド)パワー半導体の有力メーカーだったが、22年にSK Incが買収した。

 今回の買収は3月発表され、上半期に完了予定だったが、韓国の規制当局の承認が得られずペンディングになっていた。一方、SKキーファウンドリーは8インチ ウエハーを生産しているが、22年8月にSKハイニックスの傘下に入った。

 近年、SiCをはじめとする化合物パワー半導体の世界需要は伸長。SiCの需要は、電気自動車(EV)や電力蓄積装置(ESS)、5G(高速通信規格)インフラ、データセンターなどエネルギー効率が厳しく求められる分野で急増している。市場調査会社オムディアによると、世界のSiC市場は25年から30年までに年率24%のペースで伸びると予想という。

 SK キーファウンドリーは買収を通じ、SKパワーテックのSiCプロセス技術と設計技術を取得。この結果、SiCベースの化合物半導体分野で他社に負けないシナジー効果を生み出すとみられる。

 さらに今回の買収はSKファウンドリーにとって、SiCパワー半導体開発を加速化させる基盤づくりになるというのが、同社SKの見方だ。同社は、25年末までにSiC MOSFETの1200Vプロセス技術を使って製造。26年上半期には、SiCベースのパワー半導体事業立ち上げを目指す。