2025.12.08 中国Realman、超軽量ロボットアーム日本市場で本格展開 小型高トルクで幅広い用途で設置可能 小売、製造など現場の自動化を支援
超軽量ロボットアームは設置場所などを選ばず運用できる
ヒューマノイドロボット(ヒト型ロボット)などの開発製造を手がける中国Realman Intelligent Technology(リアルマン・インテリジェント・テクノロジー)は、日本市場に向け超軽量ロボットアームの展開を本格化する。独自開発の軽量で高トルクのアクチュエーターを搭載したロボットアームは、小型超軽量で省スペースでの設置ができ、幅広い領域で作業支援が可能だ。既に中国では小売サービス、製造、研究開発、介護などで導入実績がある。日本に向けては新開発のヒューマノイドロボットともに提案を進めていく計画だ。
リアルマンのロボットアームは、減速機、サーボモーター、エンコーダー、ドライバーを一体化した独自のアクチュエーターを搭載している。アクチュエーターは軽量で高トルクが特長で、容量が同等であれば他社と比べ約3倍のトルクがある。国内で本格提案を始めている超軽量人型ロボットアーム「RM65」シリーズは定格荷重5kgで、コントローラーを含めた本体重量7.2kg(RM65-Bの場合)を実現。海外営業統括で日本法人Realman Robotics(リアルマン・ロボティクス、東京都江東区)社長の易峰(イ・ホウ)氏は「同等の力を持つ一般的なロボットアームの1/3から1/4の重量になる」と話す。

実装できる幅も広く、ヒューマノイドロボットの腕として採用する企業をはじめ、製品の検品や取り出しなどの自動化設備に導入する事例も多い。OEM(相手先ブランドによる生産)実績も豊富だ。今年は中国、米国を中心にすでに約1万台を出荷している。コントローラーなども全て内蔵しており外部の機器などを付けずに操作できることも特長で、「既存の設備へ導入しやすい」(易氏)とみる。価格は200~300万円となる。

併せて最新のヒューマノイドロボット「RealBOT(リアルボット)」を開発し、国内で本格展開を始める。ロボットとAI(人工知能)を融合した、実際の身体を持つエンボイドAIで、人間の代替作業ができる。ヒューマノイドロボットは24年から「人形双腕昇降ロボット」を展開してきたが、今回、より人間に近づけ、腰部も稼働できるようにしている。価格は1000万~1500万円を想定しており、人による作業の置き換えを提案していく。

同社は18年に中国・北京で設立し中国を中心に事業を本格化。マザー工場は江蘇省常州市に置く。中国と米国を中心に事業を展開してきたが、日本市場を重点市場と位置づけ、24年12月に日本法人Realman Roboticsを設立した。12月3~6日に東京ビッグサイトで開催した2025国際ロボット展(主催=日本ロボット工業会、日刊工業新聞社)に出展し、超軽量人型ロボットアームやRealBOTを展示。製造業からの問い合わせが多かったという。シャビ氏は「日本メーカーの多くは自動化をはじめ、コスト削減に課題を持っているため支援していきたい」と話している。










