2025.12.15 【セミコン特集】リガク、最新鋭の分析技術で半導体産業の進化を後押し

多彩な分析技術・装置が集結するリガクのブース

 リガクは「視るチカラで、世界を変える」というビジョンを掲げ、X線分析技術を通じて半導体などの産業を支え続けている。今回の展示では、AI(人工知能)向け半導体が広がる新時代を見据え、複雑な3次元(3D)構造デバイスの計測に焦点を当て、ソリューションや共同開発の相談に応じるとともに、最新の3製品を公開する。

 半導体製造では、膜の厚さや組成を正確に測ることが不可欠。この分野で長年支持されてきた主力製品が「XTRAIA MF-3000」シリーズで、累計で250台を出荷した。ブースでは、同シリーズの最新モデル「MF-3400」を初公開する。

 培ってきたX線源とX線オプティクスの最新技術を結集し、フォーカスサイズを維持したままX線強度を約2倍に向上させることに成功。測定時間が従来の約半分に短縮された。現実世界に3Dの情報を重ねて表示するAR(拡張現実)ツールを用い、実物大のMF-3400の装置内部に入り込む疑似体験も提供。

 超高速のマッピングで瞬時にウエハー表面の金属汚染を分析できる全反射蛍光X線装置「XHEMIS TX-3000」も展示。新開発の光学系とマルチエレメント検出器、AIによるスペクトル予測技術を組み合わせ、従来1時間を要した計測を約10分に短縮し、最大6倍の高速化を実現した。3種類の波長を切り替え可能なX線源を採用、軽元素から重元素まであらゆる元素を高感度で検出できる。

 微小な領域の膜厚や組成の測定で威力を発揮するデュアルX線源(ポリキャピラリー/モノクロマチック)搭載型の新モデル「ONYX3200」も見どころ。「マイクロ焦点EDXRF」や「2D光学顕微鏡」を備えたインライン非破壊検査・計測システムも紹介する。加えて、「先端デバイス」「先端パッケージ」「IoT・パワーデバイス」「要素部品」という四つのコーナーを用意。製造工程の過程で膜厚等を非破壊で高速に測定する技術など現場の課題に応えるソリューションを提案する。