2026.01.12 【電子部品総合特集】Vicor・堂園雄羽社長 AI・航空宇宙で成長加速 次世代電源で48V市場を開拓

 当社は米国マサチューセッツ州に本社を置く、電源コンポーネントの専業メーカー。独自の技術力を生かした電源の開発・製造・販売を行い①航空宇宙・防衛②インダストリアル③コンピューティング&コミュニケーション④オートモーティブ―の4事業部門体制で事業を展開している。数百ワットクラスからそれ以上の大電力出力タイプまで幅広い製品をそろえている。

 2025年はAI(人工知能)を支えるHPCデータセンター(DC)向けが好調なのに加え、航空宇宙・防衛関連、インダストリアル向けのビジネスも堅調に推移し、25年第3四半期のグローバル売り上げは1億1410万ドル、前年同期比18.5%増となった。当社の車載グレード製品を搭載した車両の量産も欧州で始まり、四つの事業部門それぞれが着実に成長した。自社の保有するIP(知的財産)のライセンス運用も売り上げ拡大に貢献した。

 日本では、半導体製造装置やテスター、ロボティクス、FA、航空宇宙・防衛向けなどの分野で共同開発が進んでいる。AIデータセンターや自動車以外でも48V化が注目されており、従来の12Vでは対応が難しい大電力を効率的に扱える48V電源アーキテクチャーが高く評価された。

 オートモーティブも日本の重要な市場。OEM・Tier1との共同開発を進めており、400~800Vの高電圧を48Vや12Vに降圧する絶縁型コンバーターや中間電圧から別の電圧に変換する絶縁型・非絶縁型コンバーターなど、多様な製品を展開している。

 26年度は、製品戦略も推進する。現在、主力の電源モジュールは第4世代品。26年度中には第5世代品の投入を予定している。さらなる小型・高効率化と高い電力密度を実現する。パッケージが薄型なので、HPCのASICと優れた親和性があり、AI関連分野の要求に応えられる。インダストリアル、ロボティクス分野のキロワットクラスの大電力需要にマッチする、高電圧から48Vに絶縁・降圧する新製品もリリース予定だ。

 毎年、売り上げの18%を研究開発費に充て、各事業部門の需要に合わせた開発を推進。今後も米国本社の開発部門と連携して製品開発を進める。