2026.01.21 100Gbps達成の超大容量無線LAN、ザインエレクトロが関連トランシーバー向けIC

トランシーバー向けベースバンド集積回路

 日本の11組織が共同で取り組む超大容量の無線LAN技術について、開発したアンテナモジュールが150GHz帯で通信距離3m、伝送速度100Gbpsを達成した。半導体メーカーのザインエレクトロニクスは関連する300GHz帯のトランシーバー向けにベースバンド集積回路(IC)設計を担当する。

 総務省の「電波資源拡大のための研究開発(JPJ000254)」として2022年9月~26年3月の期間実施している。参加組織はザインエレクトロニクスのほか国際電気通信基礎技術研究所(ATR)、東京科学大学、千葉工業大学、情報通信研究機構(NICT)、広島大学、名古屋工業大学、東京理科大学、徳山工業高等専門学校、東北大学、シャープ。

 人工知能(AI)や映像技術が進歩し通信量が増え拡張現実(AR)、仮想現実(VR)、モビリティの高度化でも大容量の同時多接続伝送技術が必要。データセンターでは大量の内部配線がサーバーの移設などを困難にしているが、無線LANを使えればレイアウトの自由度が高まる。そこで既存の2.4GHz帯や5GHz帯より周波数が高い、テラヘルツ波やサブテラヘルツ波と呼ぶ電磁波の一部である150GHz帯、300GHz帯を使った無線LAN開発が進む。今回は150GHz帯や300GHz帯を想定したアンテナモジュール開発、300GHz帯向けトランシーバー開発、マルチ周波数協調動作技術開発の3つに分け取り組んでいる。

 トランシーバーはビーム方向を制御する高利得アンテナや対応するシリコンCMOS ICを採用。2次元フェーズドアレー構造の平面かつ小型モジュールで、空間内の複数端末間で同時に無線伝送する複数ストリーム通信に対応し1ストリーム40Gbps以上の伝送速度、±30度以上の2次元ビーム制御をめざす。

 ザインエレクトロニクスのベースバンドICはセミアナログ方式で送受信部に必要なキャリア/クロック・データリカバリー、イコライズ、フェーズドアレーによるビーム制御に対応したRFフロントエンド制御を行う。アナログ回路とデジタル回路の配分を最適化して協調設計し、高ビットのアナログ・デジタル変換回路(ADC)や大規模なデジタル演算(DSP)を不要にしコスト、消費電力を抑える。