2026.01.22 【情報通信総合特集】東芝デジタルソリューションズ・月野浩取締役常務(ICTソリューション事業部バイスプレジデント) デジタル×インフラでグループをけん引 「One東芝」始動、統合で成長基盤固め

月野取締役常務

 2025年度上期の事業環境を振り返ると、官公庁や社会インフラなどのICT需要が旺盛で、受注が順調に積み上がっている。インフラでは、鉄道の設備や道路の老朽化に伴うICT設備の更新需要が拡大したほか、中央省庁でのシステム刷新の動きも継続している。26年度の事業環境も明るいだろう。

 東芝は27年3月期を最終年度とする中期経営計画「東芝再興計画」で「One東芝」を掲げ、グループの主要事業を担う子会社4社を統合する方針を示した。このうち東芝インフラシステムズは、25年4月に統合した。26年4月には東芝エネルギーシステムズと東芝デジタルソリューションズを統合し、One東芝でスタートする体制が整う。25年11月には、「エネルギーソリューション」「デジタルインフラソリューション」「デバイス&テクノロジー」という三つを新たなビジネスセグメント(BS)とするBS制を導入した。

 東芝は、発電所向けタービンやモーター、電池などの多様なコアプロダクトを製造する強みを持っている。今後は、更新需要に応じて販売するだけのビジネスではなく、継続的に収益を生み出せるリカーリング(継続課金)モデルを追求していきたい。その際に当社が磨いてきたデジタルソリューションやデジタル技術を生かし、プロダクトの製造から運用や保守までのサイクルを回す取り組みでけん引役を担っていきたい。

 例えば、気象レーダーから受信した観測データを独自手法でリアルタイムに解析し気象状況を高精度に予測する「気象データサービス」を強化し、ゲリラ豪雨やこうひょうの兆候を予測するサービスを商用化してきた。25年4月には、現在の降雨状況をきめ細かなデータとして提供するサービスをラインアップに加えた。鉄道や道路などの公共交通事業者やインフラ事業者などは、降雨などが与える影響を的確に把握することで、設備の円滑な運用と安全の確保を実現できるようになる。

 東芝は、25年7月に創業から150周年を迎えた。その間に製造業としての経験を積み重ねてきた。培った技術や知見に進化するAI(人工知能)エージェントを組み合わせ、製造現場の自動化を支援する取り組みもさらに強化していく。