2026.01.22 【情報通信総合特集】MODE・上田学CEO  「AIワークフロー」を進化 現場実装重視の生成AI活用加速

 生成AI(人工知能)の進化が注目される中、この1年は「AIが現場で何ができるのか」がよりはっきりしてきた年だった。2025年は「AIエージェント元年」と言われてきたが、現実世界の業務で自律的にAIに仕事を完結させるには、まだ多くの課題があると感じている。

 一方で、AIが自分から調べ、日々のレポートを簡潔にまとめて報告してくれる仕組みのニーズは高かった。そこでAIエージェントよりも、定型業務を確実にこなす「AIワークフロー」に軸足を移した。問題を小さく切り出すことで、AIが安定して価値を出せるようになった。

 当社主力のクラウド型IoT基盤「BizStack(ビズスタック)」に生成AIを組み合わせた「BizStack Assistant」では、現場データをAIが解析し、日報や月次レポートを自動生成する機能が特に高い評価を得た。AIがチャットを通じて能動的に現場へ話しかける「定期レポート」機能や、気象データと連携して天候変化を自動通知する「天気情報連携」などを順次追加してきた。カメラ映像を常時見守り、異常時のみ通知する仕組みに加え、出入りする車両の車種判定をし自動記録する「車両検知機能」も実装している。人がやれば負担の大きい作業をAIが代行することで、省人化と安全性の両立が可能になる。

 建設業界では、IoTにAIを組み合わせることで実用性が高まり、導入社数も大きく伸びた。昨年は建設分野に集中したが、今年はビルや施設管理向けのアプリケーションを本格展開する。センサーで異常を検知し、カメラで確認する遠隔点検は、人手不足が進む分野で特に有効だ。こうした現場定着を後押しするため、25年6月には「カスタマーサクセスチーム」を立ち上げ、導入後の活用支援や業務設計まで含めた伴走体制を強化してきた。

 今後は、AIワークフローを外部パートナーにも開放し、さまざまな業界向けアプリを生み出していく。米国では大学キャンパス向けのエネルギー管理など、投資対効果が明確な分野で導入が進んでいる。IoTとAIを組み合わせ、現場で本当に使われるシステムを国内外で広げていきたい。