2026.01.22 【情報通信総合特集】アイティフォー・坂田幸司社長 M&A·CVCで共創加速 26年は新規サービスに注力

 2025年は当社にとって厳しい1年だった。公共分野で国のシステム標準化を巡って仕様の更新が続き、スケジュールが定まりにくかった。さらに基幹ベンダー側のしんちょく遅れなど外的要因も重なり、案件の後ろ倒しが発生した。一方で、10年後の目指す姿FY2033達成に向けた「体制づくり」を進める期間でもあった。

 その象徴がM&A(企業の合併・買収)とCVC(ベンチャー投資)だ。M&Aでグループに迎えたアイセルとは、システム開発やセキュリティー事業などで互いの強みを補完し、より強固な事業体制を築く。さまざま機能を内製で構築してきた従来の自前主義を転換し、外部パートナーとの共創を成長戦略の柱に据えている。

 CVCは25年から本格化させている。混雑情報の可視化など新たな価値を持つ技術への投資も進めてきた。社会課題を起点に、観光動線の見える化や施設運営などの領域で提案の幅を広げている。

 成長の中核は金融と公共向けだ。金融分野では地方銀行に加え、第二地方銀行や信用金庫からの引き合いが拡大している。大手ベンダーによる大規模提案だけでは埋まらないニーズに対し、パッケージを中心に、必要十分な投資で導入できる点が強みだ。

 自治体向けでは31都道府県に導入実績があり、残る空白地帯の開拓を「ドミナント戦略」として進めている。一つ実績ができれば自治体間の評判で横展開が進み、よい循環が生まれる。

 滞納管理システムでは、標準化対応と合わせてBPO(業務プロセスの外部委託)も視野に入れ、業務負荷の低減に貢献していく。BPO関連ではコンタクトセンター基盤のCXoneを活用し、税などの滞納者へ架電する業務を支援する仕組みも提案している。

 26年は新規サービスに注力する。「ココボイス」は現場の声を起点にした改善を後押しする仕組みで、社内ベンチャー制度の取り組みとして推進している。POS(販売時点情報管理)分野でも新たな製品リリースを継続しており、当社が定期開催するユーザー会で顧客企業同士の情報交換を促し、そこで得た業務課題・システム課題をパッケージに反映することで、横展開につなげていきたい。