2022.03.18 【九州・山口産業特集】QUESTラズベリーパイの関心高まる

馬場 事務局長

会員企業と連携、教育に活用も

 QUEST(福岡市早良区)は、新人教育やセミナーなど人材育成事業に引き続き取り組むとともに、増えている開発の案件などにも対応する。

 これまでは対面イベントが多かったが、コロナ禍で減り、新人教育が中心になりつつある。最近は会員企業以外からも、ホームページからの問い合わせが増えている。

 特にRaspberry Pi(ラズベリーパイ)へのニーズや関心も高まっているといい、QUESTでも会員企業と連携した教材や教育コンテンツ作りも進めていく。

 ラズベリーパイの、エネルギーマネジメントシステム(EMS)への活用も期待される中、2022年度はエネルギー領域への人材輩出にも取り組んでいく。

 一方、ラズベリーパイは供給に滞りも出ており、入手するまでに数カ月かかるケースもある。「流通状況をチェックして、ある時に手に入れるようにしている」と馬場伸一事務局長は話す。

 実機が使えない場合はシミュレーターなども活用しながら、仮想環境で学べる仕組みなども検討するほか、今後は動画コンテンツによるe-ラーニングの提供も考えているという。

 福岡ソフトリサーチパークと共同で行っているサイバーセキュリティー入門講座も、21年度は年3回実施。BCPの観点からも重要性が高まる中、サイバー攻撃の実態や対策を解説した。

 芦原秀一理事長は「DXはビジネスの方法を変えること。DXを推進するのであれば、そのためのリテラシーやルールを持つことが必要だ」と、セキュリティー教育の重要性を語る。新人教育でもセキュリティーとネットワークに関するテーマも説明している。

 セミナーについて「今後は分野やターゲットも拡大したセミナーも検討したい」と馬場事務局長は話す。

 最近では、会員企業から相談を受けた新製品開発の提案やサポート、マネジメントの対応も増加。新人教育へのフィードバックにも期待できるといい、企業同士のマッチングを行う窓口としての役割も果たしていく。