2025.08.08 【コネクター特集】クラレ 耐熱性ポリアミド樹脂「ジェネスタ」、自動車関連などで拡大

 クラレは、耐熱性ポリアミド樹脂「ジェネスタ」を事業化し、電気・電子分野のコネクター向けや、自動車関連(車載電装/自動車耐熱部品)を中心に実績を拡大している。

 ジェネスタは、同社が世界で初めて工業化したノナンジアミンを使用したポリアミド樹脂(PA9T)。耐熱性、低吸水性、耐薬品性など優れた特長を持つ。特長は①優れた耐熱性(融点306度と高く高温時物性に優れる。はんだ耐熱性270度)②低吸水性。以上により表面実装時のブリスター発生を防ぐ③優れた摺動性④優れた成形性など。これらの特性が評価され、実績を拡大している。

 用途別では、車のEV化が進むなかで、EV向けの採用がグローバル各地域で増加。特に、耐熱性、低吸水性、高強度、加工性の高さなどが評価され、熱マネジメント関連を中心に、高電圧部品、電子制御などで採用が広がっている。

 電気・電子用途では、ジェネスタの低吸水かつ高強度特性を強みに、生成AI関連のサーバー用DDRコネクター向けなどで堅調に増加している。今後も、車載、高速通信、産業機器などのコネクターのメガトレンドに迅速に対応していく。

 ジェネスタ事業では世界10カ国・13拠点に販売や技術サービスの担当者を配置。国内では技術開発拠点「つくば研究センター」で顧客との協創を推進。ジェネスタ販売数量は今後も年率10%程度の成長継続を見込む。

 ジェネスタの優れた高電圧耐トラッキング性は、ULの新規耐トラッキング性規格「UL2597」(最大試験電圧900V)に基づく試験により確認。