2025.10.05 日立、オープンAIとデータセンターへの電力供給で提携 DX分野の協力も 

合意書を交わす日立の徳永俊昭社長(右)とオープンAIのサム・アルトマンCEO

握手する日立の徳永社長(右)とオープンAIのアルトマンCEO。両社はデータセンターの構築などで協力する握手する日立の徳永社長(右)とオープンAIのアルトマンCEO。両社はデータセンターの構築などで協力する

 日立製作所は、生成AI(人工知能)を手がける米オープンAIと、AIの進化と普及を支えるデータセンターに必要な電力の関連技術などで提携すると発表した。日立は、AI向けデータセンターへの投資を進めるオープンAIに、送配電設備や冷却設備などを提供。さらに、オープンAIの大規模言語モデル(LLM)を企業や社会のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する日立の事業に組み込み、活用方法を探る構えだ。

 日立の徳永俊昭社長とオープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)が2日、東京都内で戦略的パートナーシップに関する基本合意書(MOU)を締結した。

 AI向けデータセンターの急増に伴い消費電力量が爆発的に増える中で両社は、電力に関する取り組みで連携。オープンAIは、電力の安定供給を支える日立の技術や設備を生かし、必要な電力を確保・抑制しながらデータセンターの整備を促していく。特定エリアでエネルギーの地産地消を促す「マイクログリッド(小規模電力網)」なども協力分野の候補として浮上しているという。

 さらに日立は、データセンターに必要なストレージなどの設備面で協力するほか、オープンAIのLLMを日立のDX支援事業「Lumada(ルマーダ)」で活用する可能性も探索する。自律的に業務をこなす「AIエージェント」の共同開発も、視野に入れているという。