2025.10.07 アンシス、スパコン「富岳」使う大規模シミュレーション商用化 

 解析ツールを手掛ける米アンシスは、スーパーコンピューター「富岳」上で動作する同社のシミュレーションソフトウエアを、商用で提供すると発表した。研究開発や性能検証で使われてきたが、大規模な計算ノードへの対応や体制の整備により、産業利用できるようになる。

 今回、同社のCAE(コンピューター支援)ツールとして、工学流体シミュレーションソフトウエア「Ansys Fluent」と衝突シミュレーションソフトウエア「Ansys LS-DYNA」が商用利用できるようになった。富岳の演算の能力により、高速処理による解析を実現し、開発期間を短縮する。

 同時に、アンシスのシミュレーターの拡張性の実証に関する発表もあった。川崎重工の天然ガスを活用してタービンを稼働する燃焼器に関する数値流体力学 (CFD)シミュレーションだ。Ansys Fluentを活用することで、解析する空間を立方体に分割した単位では10億メッシュセルの規模を実現。大規模で精度の高いシミュレーションが行えることが実証された。今後は富岳で20億や30億を超えるメッシュセルのシミュレーションを行う予定。