2025.10.07 品質安定化と工程効率化、再プラ技術で NEC、三井化学など4社協業

 NECと三井化学、萩原工業、丸喜産業の4社は7日、データ解析や人工知能(AI)技術を活用して新しい材料を効率的に開発する「マテリアルズ・インフォマティクス(MI)」技術を活用し、再生プラスチックの品質安定化と製造工程の効率化に向けて協業すると発表した。

 廃プラスチックの循環利用は、持続可能な社会の実現には欠かせない一方、再生プラスチック製造では原料の性状変動などにより、粘度や強度などの物性制御が難しかった。

 今回の4社協業は、三井化学と萩原工業が10月から提供を始めた、製造中の粘度をリアルタイムに計測し添加剤投入量を自動調整する技術を中核に、丸喜産業の実工場から得られる粘度データをNECのMI技術で解析する手法を導入する。材料の配合を逐次最適化できるようになり、品質のばらつきを低減できるとしている。

 従来必須とされてきた「タンブリング工程(混合・攪拌〈かくはん〉を通じ粒度をそろえる工程)」の省略化にも挑み、製造時間の従来比25%削減を目指す。

 4社は、協業を通じて品質安定性向上に加え、製造能力拡大や現場省力化などにつなげ、再生プラスチックの広範な普及を後押ししたい考え。今後、粘度制御の自動最適化システムの開発に向け実証を進め、早期の実用化を目指す。