2025.10.07 AI開発のプリファード、国産LLMのエージェント機能を大幅に強化

自動ツール連携の活用例(出所:PFN)

 人工知能(AI)開発を手がける有力スタートアップで知られるPreferred Networks(プリファード・ネットワークス〈PFN〉、東京都千代田区)は7日、ゼロからシステムを構築するフルスクラッチ開発の国産大規模言語モデル(LLM)「PLaMo(プラモ)」の商業版フラッグシップ(旗艦)モデルに、自動ツール連携機能を実装した「PLaMo 2.1 Prime」を投入した。

 ユーザーの指示に基づき適切なツールを自動で選択し、社内外の複数のデータベースの参照や外部の「AIエージェント」との高度な連携が可能になる。PLaMo 2.1 Primeは、PLaMo 2.0 Primeから自動アップデートされる。

 具体的には、社内外の複数のデータベースやほかのAIエージェントと協調するような高度なAIエージェントを簡単に作成できる。

 ユーザーの指示に基づき、「Web検索」や「社内データベース検索」などの最適な手段を自動で選択して組み合わせ、取得した情報から包括的な回答を生成する。

 例えば、「取引先が購入した機材の部品在庫を確認する」といったタスクでは、マルチAIエージェントが「顧客管理AIエージェント」には顧客情報と購入履歴を、「在庫確認AIエージェント」には在庫状況を問い合わせ、それらの情報をまとめて答える。

 「Berkeley Function Calling Leaderboard v3」と呼ぶベンチマークで、ユーザーの指示に対して適切なツールを選択できるかを評価した結果、単一ツールを正しく呼び出す能力と複数のツールから適切な手段を選ぶ能力で90%を超える性能を確かめた。

 同社は今後も、日本語性能の高いPLaMoのフルスクラッチ開発を継続し、ユースケース(活用事例)の拡大に向けた機能の開発を強化していく。