2025.10.15 パナソニック、冷凍すしの空輸向け真空断熱保冷容器 有効性を実証

発送時のVIXELLボックス

米国現地に到着した冷凍寿司の状態米国現地に到着した冷凍寿司の状態

 パナソニックは、海外へ冷凍すしを空輸する実証事業向けに真空断熱保冷容器「VIXELL(ビクセル)」を提供し、保冷輸送時の温度管理と品質維持の実証に成功した。

 特殊冷凍テクノロジーを活用したソリューション事業を展開するデイブレイク(東京都品川区)が実施した冷凍すしの空輸実証にVIXELLを用いた。

 冷凍すしの海外輸出を推進し、米国への輸出実績を持つデイブレイクでは、海外輸出における重要テーマとして、コールドチェーンの研究・実証を重ねている。

 3月には、日本から米国への海上輸送に成功。さらに海上輸送に加え、より迅速な流通経路となる空輸にも同等以上の品質維持を可能にすべく、研究・検証を続けている。

 ただ、空輸の輸送期間は海上輸送より短いものの、機内や貨物の積み下ろし時の温度変化のリスクが高く、安定した品質維持が難しい問題がある。

 そこでデイブレイクでは、これまで複数回の空輸検証を行ってきたが、温度管理で設定どおりの結果が得られない状況が発生していた。

 こうした背景を踏まえ、デイブレイクの知見に、VIXELLや医薬品輸送で培ったパナソニックの温度管理輸送ソリューションを掛け合わせ、繊細な冷凍すしの高品質空輸の実現に向けた連携を始めた。

 今回の検証は、8月29日に日本を出発した冷凍すしを対象に実施。9月9日に米国現地で受け取るまでの約10日間、輸送した五つのVIXELLボックスすべてが-22℃以下を維持していたことを、同梱(どうこん)した温度ロガーデータにより確認した。この結果、空輸でも冷凍すしの品質維持に十分な温度管理が可能なことが証明された。

 この成果を生かし、冷凍すしのコールドチェーン構築に貢献する可能性を広げていく。