2025.11.05 日本精工、4~9月期増収増益 ステアリング企業の完全子会社化で通期予想を上方修正
日本精工の2026年3月期(25年4~9月)連結決算は、売上高が前年同期比3.7%増の4123億円、営業利益が同69.7%増165億円となった。為替が円高に推移した影響を受けたものの、インフレや関税に対して売価の転嫁が推進。いずれも前回予想を上回り着地した。
セグメント別では、産業機械事業が、1808億円(前年同期比0.2%増)、営業利益は49億円(同11.2%減)の増収減益。地域別では、日本は、工作機械向けの販売増加など、米州ではアフターマーケットや半導体製造装置向けの販売増加、中国では工作機械向けを中心に販売増加でいずれも増収。欧州は市場悪化の影響を受けて販売が低迷し減収となった。
自動車事業は、2012億円(同1%増)、営業利益は89億円(同38.4%増)の増収増益。地域別では、日本の売上高はほぼ横ばい。米州では自動車販売が堅調だったことに加え、関税の売価転嫁を実施した影響で、中国では電動ブレーキ用ボールねじの拡販により増収となった。欧州は自動車市場の低迷が継続し減収となった。ステアリング事業は売上高152億円、営業利益は30億円となった。
通期業績予想は、前回予想を上回った4~9月期の業績を受けて、上方修正。売上高を前回予想から1250億円多い前期比11.1%増の8850億円、営業利益を80億円多い同5.4%増の300億円に引き上げた。同社は9月に持ち分法適用会社でステアリング事業を手がけるNSKステアリング&コントロールの全株式を取得し完全子会社化しており、これが利益を押し上げた。







