2025.11.06 ローム決算 通期予想を上方修正 新中経計画も公表 売上高5000億円、営業利益20%以上目指す
ロームは2026年3月期通期(25年4月~26年3月)の連結業績予想を上方修正する。売上高を4400億円から4600億円に、営業利益を40億円から50億円に、純利益を70億円から90億円に目標を変更する。上期の売上の好調さを受けて修正した。
2026年3月期第2四半期(2025年4~9月)の連結業績は売上高が前年同期比5.3%増の2442億2800万円、営業利益が76億5300万円(前期は9億7400万円の赤字)、経常利益が134億2200万円(前期は1億2900万円の赤字)、純利益が同398.9%増の103億1800万円と、黒字転換した。
民生市場を中心に売上が増加し、利益は売上増の影響により限界利益が増加した。売却費を中心に固定費を削減した結果、黒字化を果たした。東克己社長は「第2四半期は計画を上回る形で着地できた。収益改善の道筋が見えた。利益体質になった」と力を込めた。
SiC(シリコンカーバイド)デバイスxEV向けで中国、欧州向けが堅調。エネルギー分野向けも欧州向けが中心となり伸長した。
通期も増収増益を予想。SiCデバイスが欧州で太陽光パネルやxEV向けに採用されており伸びる見込み。一方、民生向けでは上期好調だった白物家電向けが10月以降減速する見込み。また、アミューズメント向けの売上が大幅に増加しているが、7―9月でピークアウトする見通し。PC向けやサーバー向けは堅調に推移する見込み。産機向けでは長期化していた顧客の在庫調整がおおむね解消する。
一方、滋賀工場、国内の製造関連4社を前工程と後工程の製造会社2社に再編することを先月発表していた新会社の社名を決定。前工程製造会社 は「ローム・デバイス マニュファクチャリング(RDM)」、後工程製造会社は「ローム・アッセンブリ マニュファクチャリング (RAM)」とした。
また、28年度を最終年度とした3カ年の中期経営計画を公表。最終年度に売上高5000億円、営業利益20%以上、ROE(自己資本比率)9%以上を目指す。パワーデバイスやアナログを中心としたLSiが成長をけん引。不採算製品はサポートを終了する。市場では自動車での成長を維持しつつ、民生向けでも強化。サーバー関連の目標30年度300億円の道筋を作る。
東社長は「不採算事業は縮小・撤退を検討する。ポートフォリオをしっかりと取り組みたい。SiCデバイスは28年度に売上増加やデバイス改善などで年間黒字化を果たしたい」と語った。



