2026.01.12 【電子部品総合特集】電子部品メーカー、2026年も国内外で積極的な事業活動を展開 生成AIやDX、モビリティー革新などがキーワード

小型・高性能化が一段と進む電子部品

次世代データセンター向けSPXO(クロック水晶発振器)次世代データセンター向けSPXO(クロック水晶発振器)

新規市場開拓や新規事業創出を加速

 電子部品メーカー各社は、2026年に向けて世界のIT・エレクトロニクス市場の進化を捉えた事業活動を展開する。生成AI(人工知能)や先端半導体がけん引する急速な市場革新をチャンスと捉え、次世代ニーズを先取りした技術開発を一層強化するとともに、世界のサプライチェーン変革を見据えた最適な体制構築に全力を挙げる。同時に、中長期視点でのR&D(研究開発)戦略や新規市場開拓・新規事業創出への取り組みを強めることで、今後も持続的な成長を目指す。

 現在のエレクトロニクス市場は、「AI」「デジタル変革」「モビリティー革新」「次世代通信」「自動化・省人化」「脱炭素」などをキーワードに大変革期を迎えており、市場や技術の変化のスピードも一段と加速している。これらのイノベーションの先導役として、電子部品産業には次世代ニーズに対応する革新的な技術開発が求められている。

 日本社会全体の状況も、モノづくりの国内回帰や国内半導体投資の活性化、デフレ社会からインフレ社会への転換、労働賃金の上昇圧力の強まりなど、これまでの数十年からは明らかに潮目が変わりつつある。

 電子部品業界にとっての25年は、米トランプ政権の関税政策に振り回された年となったが、結果的には米相互関税が市場に与えた影響は軽微だった。

 その中で、世界の電子部品市場は、生成AI普及に伴うAIサーバー・データセンター(DC)需要の急増や、ADAS(先進運転支援システム)・自動運転技術の高度化、産機市場の調整からの回復などに支えられ、着実な成長を遂げた。

 26年の世界の電子部品市場も、成長の継続が予測される。足元では産機や車載市場にやや弱さも見られるものの、好調な米国市場やAIサーバー・DC関連需要の拡大、AI搭載モバイル端末の増加、車の電子化・電動化進展、産業分野の自動化・省人化ニーズの高まりなどが、成長をけん引すると期待されている。

 一方で、26年の日本の電子部品産業を取り巻くマクロ環境にはさまざまな不透明要素も存在する。トランプ政権による関税政策や貿易規制への懸念、世界的な地政学リスクの高止まり、中国経済のさらなる悪化懸念に加え、最近の日中間の問題が経済活動や部材調達に与える影響といった不安要素も多い。日米金融当局による政策変更に伴う急激な為替変動へのリスクもある。最近の金属価格急騰も部品業界には大きなリスク要素だ。

 そうした中でも、電子部品市場の中長期の成長期待には変化はない。AI技術の進化と急速な普及は、AIサーバー・DCをはじめ、関連インフラや応用システム、エッジAI端末の需要を増大させ、関連する電子部品需要を今後も活性化させていく。CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化) をメガトレンドとする自動車の進化や、情報通信技術の高度化、半導体の高性能化、スマートファクトリー化、脱炭素・カーボンニュートラルといった潮流は、電子部品技術の高度化を促し、需要拡大を加速させていく。

 電子部品メーカー各社は、これらのトレンドを踏まえ、次世代ニーズに対応した新製品・技術ソリューション開発に全力を注ぐとともに、新規市場開拓や新規事業創出への取り組みを進めることで、グローバルでの継続的なビジネス成長を目指している。

 26年は、米中摩擦への対応や地産地消ニーズの高まりなどを踏まえたグローバルサプライチェーン刷新なども一段と進む見通しで、ASEANや日本国内を軸とした生産体制拡充や、インド市場の成長を見据えた新たな拠点戦略、さらに有力顧客がひしめく米国や中国での営業・マーケティング体制拡充などが進展する見通しだ。

 社会全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)化やGX(グリーントランスフォーメーション)化の実現に向け、電子部品は重要な役割を担う。安心・安全・スマートでサステナブルな未来を実現するための先導役として、電子部品産業の重要性は一層増していく。