2022.12.20 キヤノンが測長計、搬送物の送り量を高速計測

非接触で高速測定が可能なキヤノンの測長計「PD-710」

 キヤノンはプレス業界や製紙業界の生産ラインで、搬送物の移動量(送り量)を非接触で計測できる測長計「PD-710」を来年1月上旬に発売する。

 毎秒10メートルで動く対象物の速度を測定可能。対象物を広範囲で捉えるためのレンズを採用し、光学系と画像処理のアルゴリズムを改良した。従来機種に比べ2.5倍の高速測定が実現した。

 キヤノン独自の「プロファイルマッチング方式」で、LED光源から測定対象物に光を照射し、反射して戻ってきた光をラインセンサーで受光。一次元的な画像(輝度分布)を連続取得する仕組みだ。

 対象物の移動に伴って得られるデータを1秒間に4キロヘルツの高速サンプリング(毎秒4000枚)の高速で取得し、処理する。

 ローラー式メジャーなどの接触式測定器の場合、搬送物を傷つけたり、汚す恐れがある。接触に伴って生じる装置の磨耗は測定誤差の要因にもなるため、非接触で測定をするニーズがあった。

 高速で搬送されるトイレットペーパーやダンボールを正確な長さで切断するため、高精度に移動量を測定する製紙業界の要求にも応えた。

 EV用のモーターコア製造で用いられる超高速プレスラインの送り量の測定も可能になる。

(23日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報予定です)