2024.01.30 経産省が「光電融合技術」に約450億円支援 NTTなどの共同開発

 経済産業省は30日、光信号も用いて情報を伝達・処理する「光電融合技術」に関するNTTなどの共同開発プロジェクトを、約452億円で支援すると発表した。同社などが推進する次世代情報通信基盤の構想「IOWN(アイオン)」の実現に必要な中核技術で、コンピューター内の半導体チップ間の処理を電気から光に置き換えることで、大容量データの伝達の高速化と消費電力の低減を実現する。世界の情報通信市場にゲームチェンジを起こすことを狙う。

 経産省所管の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」に関する公募を行い、NTTなどの主要な日本企業が参画する光電融合関連の3件を採択した。

 一つがチップ間を光で接続する「光チップレット(光電融合デバイス)」の実装技術の開発で、NTTが古河電気工業や新光電気工業などと進める。

 さらにNTTは、メモリーの接続部を光に変える「メモリーモジュール技術」の開発をキオクシアと推進。高速なアプリケーションの実現に必要な遅延時間の変動抑制技術を示す「コンピューティング基盤技術」の開発は、NECや富士通と共同で取り組む。

 斎藤健経産相は同日に開かれた閣議後の記者会見で、光電融合技術に関する共同開発をハードとソフトの両面から進める今回のプロジェクトを支援すると表明。AI(人工知能)活用などのデジタル化の進展に伴い情報処理量が増大している課題にも触れ、「情報伝達の高速化や低消費電力化による将来のゲームチェンジにつながっていくことを期待している」と述べた。

(2月1日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)